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24.尋常小学読本じんじょうしょうがくとくほん

後醍醐天皇・足利尊氏・新田義貞・高師直・佐々木道誉など、『太平記』には強烈な個性を持つ人物が多数登場しますが、後世最も人気があったのは、勤王精神に富む忠臣で戦術の天才でもあった楠木正成(くすのきまさしげ 1336年没)でした。

展示資料の『尋常小学読本』巻7は、明治42年(1909)に文部省が発行した国語の教科書。死を覚悟で足利尊氏の大軍を迎え撃とうしていた楠木正成が、父亡き後も後醍醐天皇への忠誠を尽くすよう諭して、11歳の息子正行(まさつら)を桜井の地(現・大阪府島本町桜井)で帰す場面(桜井の別れ)や、父の戦死を知って自害しようとする正行を、母が厳しく誡める場面などが絵入りで紹介されています。明治以降、楠木正成・正行父子は、忠孝の手本とされ、教育の現場でも生き続けました。

(請求番号:ヨ375-0047A)

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