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26.秋夜長物語あきのよのながものがたり

中世の寺院社会では、稚児(ちご(児とも))と呼ばれる少年が、高僧や老僧に近侍して身の回りの世話をする慣習がありました。稚児は貴族の子弟である場合もあり、僧侶の寵愛の対象となったばかりでなく、宗教的に聖なる存在とも見なされていました。

『秋夜長物語』は、比叡山延暦寺の桂海律師と三井寺(園城寺)の稚児梅若(うめわか)の悲話を、両寺の対立を背景に描いた物語。文保3年(1319)に延暦寺の僧兵が園城寺を焼き払った史実が、この物語を生んだ直接の契機であると言われています。成立は南北朝時代(1336―92)。作者は玄恵(『太平記』の作者ともされる僧)であるとする説があり、『太平記』と関係が深い物語です。

展示資料は、寛永19年(1642)刊。林家旧蔵。全1冊。

(請求番号:204-0081)

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