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47.寛永諸家系図伝(草稿本)かんえいしょかけいずでん(そうこうぼん)

『寛永諸家系図伝』は、寛永18年(1641)に江戸幕府が編纂した大名・旗本の系譜集で、若年寄太田資宗が奉行となり、林羅山・林鵞峰らが編纂に従事しました。寛永18年に作成が命じられ、同20年に完成します。

ここで取り上げる資料は、同書の草稿本と考えられている資料です。該当部分は「慶長3年(1598)8月18日、秀吉公が薨じたことにより、五奉行は(義弘父子の)功を賞すため、親子に宝剣を与え、旧領を再び加増した」とあるくだり。つまり、行為の主体は五奉行(大老)で、「家康」とは書かれていません。一般に、『寛永諸家系図伝』は作成を命じられてから成立までの間が短く、諸家から提出された原本の記述内容に近い形で構成されていると言われています。草稿本である本資料の方が献上本より島津家提出の資料に近い性格を持ちますが、本資料と献上本(展示資料48『寛永諸家系図伝』)を比べてみると、行為の主体部分が少し異なる記述になっていることがわかります。

展示資料は、巻26(27冊目)。林羅山(道春)の四男靖の旧蔵本。全31冊。内務省地理局旧蔵。

(請求番号:156-0015)

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