Ⅲ書物を守り伝える

書物を守る

大蔵目録・黄帝内経素問

24大蔵目録だいぞうもくろく

子194-0017

『大蔵目録』

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『大蔵目録』は、唐代の僧侶・りん(737?~820)が著した『いっさいきょうおん』全100巻の目録です。「一切経」は「だいぞうきょう」ともいわれ、漢訳された仏教経典を集大成したものです。

掲載資料は、慶長18年(1613)に刊行されたもので、全3冊です。

染紙そめかみ

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天然の素材で作成された書物は、どんなに大切に管理していたとしても虫の被害に遭うことがあります。そこで、『大蔵目録』のように、防虫・防腐の効果があるとわれるはだ(ミカン科の樹木の皮からとれる染料)を染み込ませた紙を用いて、虫の被害から書物を守ろうとしたのです。

25こうていないきょうもん

300-0144

『黄帝内経素問』

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『黄帝内経素問』は、中国の伝説上の帝王・黄帝こうていとその臣下で名医と呼ばれたはくとの問答を記録したといわれるもので、最古の医学書といわれています。

掲載資料は、明の時代に刊行されたもので、全8冊です。

「たばこの葉」の蔵書印

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「たばこの葉」には、そのニオイから防虫効果があるといわれています。そこで、蔵書家は「たばこの葉」を書物に挟むことによって、虫の被害を防ごうとしました。『黄帝内経素問』に押された「たばこの葉」の印にも、実際の「たばこの葉」のような効果を願ったのでしょうか。