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『大蔵目録』は、唐代の僧侶・慧え琳りん(737?~820)が著した『一いっ切さい経きょう音おん義ぎ』全100巻の目録です。「一切経」は「大だい蔵ぞう経きょう」ともいわれ、漢訳された仏教経典を集大成したものです。
掲載資料は、慶長18年(1613)に刊行されたもので、全3冊です。
天然の素材で作成された書物は、どんなに大切に管理していたとしても虫の被害に遭うことがあります。そこで、『大蔵目録』のように、防虫・防腐の効果があるとわれる黄き蘗はだ(ミカン科の樹木の皮からとれる染料)を染み込ませた紙を用いて、虫の被害から書物を守ろうとしたのです。
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『黄帝内経素問』は、中国の伝説上の帝王・黄帝こうていとその臣下で名医と呼ばれた岐き伯はくとの問答を記録したといわれるもので、最古の医学書といわれています。
掲載資料は、明の時代に刊行されたもので、全8冊です。
「たばこの葉」には、そのニオイから防虫効果があるといわれています。そこで、蔵書家は「たばこの葉」を書物に挟むことによって、虫の被害を防ごうとしました。『黄帝内経素問』に押された「たばこの葉」の印にも、実際の「たばこの葉」のような効果を願ったのでしょうか。
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