Ⅰ内閣文庫のコレクション形成に寄与した人物たち

もうたかすえ(1755~1801)

陸象山先生集要・李卓吾先生批点四書笑

07りくしょうざんせんせいしゅうよう

314-0019

『陸象山先生集要』

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『陸象山先生集要』は、南宋の時代の儒学者・陸九淵りくきゅうえん(1139~1192)の詩文集です。

陸九淵は、字はせい、雅号を象山といいます。儒学者として有名で、同時代のしゅ(1130~1200、朱子学を大成した学者)と学問的な論争を行ったことで知られています。

掲載資料は、明の万暦25年(1597)の序文がある刊本で、全8冊です。

『陸象山先生集要』の蔵書印

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『陸象山先生集要』の蔵書印です。

『陸象山先生集要』の蔵書印

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  1. ①「元/政」→江戸時代の僧侶・元政(1623~1668)の蔵書印です。現在も京都伏見の瑞光寺に蔵書が残っています。巻末には、「草山瑞光蘭若」という元政の別の蔵書印も押されています。「蘭若」は「ランニャ」と読み、サンスクリット語で「寺院」の意味です。
  2. ②「陳子龍印」→使用者不明の蔵書印です。
  3. ③「穎川陳氏較/定典籍之章」→使用者不明の蔵書印です。
  4. ④「浅草文庫」
  5. ⑤「大学校/図書/之印」→文部省の前身である、大学校の印です。明治2年(1869)~同4年に使用されたものです。
  6. ⑥「日本/政府/図書」

08たくせんせいてんしょしょう

309-0089

『李卓吾先生批点四書笑』

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『李卓吾先生批点四書笑』(以下『四書笑』)は、「四書」(大学・中庸・論語・孟子)などの権威ある古典の文句をもじって、ユーモアを醸し出した笑話集です。

掲載資料は、江戸時代初期の学者はやしざん(1583~1657)の旧蔵書です。写本、全1冊です。

『四書笑』の蔵書印

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『四書笑』の蔵書印です。

『四書笑』の蔵書印

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  1. ①「佐伯矦毛利/高標字培松/蔵書画之印」
  2. ②「日本/政府/図書」
  3. ③「読耕斎/之家蔵」→林羅山の四男・林春徳しゅんとく(1624~1661)の蔵書印です。

『四書笑』の書き入れ

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巻末には「昌平坂/学問所」の蔵書印と、「羅山子莞尓考之」という書入れがあります。これを読み下すと、「羅山子、かんとしてこれかんがう」となります。「莞尓として之を考う」とは、「笑いながらこの書物を校訂した」という意味で、羅山がこの書物を楽しんで読んだことがわかります。