[請求番号 149-0035]
食事から入浴、理髪等まで。将軍や大御所(前将軍)の身のまわりの世話は、おもに小性や小納戸などが担当しました。病や加齢で身体不自由となった将軍や大御所を介護するのも、彼ら奥勤めの旗本たちです。
延享3年(1746)11月、前の年に将軍職を家重に譲り、西丸で大御所として日々を過ごしていた徳川吉宗(1684―1751)は「中風」(脳卒中)で倒れ、数ヶ月でなんとか回復したものの、右半身の麻痺と言語障害の症状が残りました。
『吉宗公御一代記』は、吉宗が紀伊国和歌山藩主だった頃から小性として仕え、大御所となってからも「大御所様付御側衆」として仕えた小笠原政登(おがさわら・まさなり 1685―1769)が書きのこした記録。延享4年(1747)から寛延3年(1750)までの吉宗の症状や介護の様子が克明に記されています。全64冊。