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49. グルタミン酸の発見(池田菊苗)

展示資料は、大正5年「味の素」の製造・販売を行った鈴木三郎助(1868―1931)に緑綬褒章が授与された際の文書です。

「味の素」はサトウキビの糖蜜からつくられたグルタミン酸です。現在は、味噌や醤油などと同じ発酵法で製造されていますが、かつては小麦粉を塩酸で焼くなど分解してグルタミン酸にし、これを脱色・濃縮してグルタミン酸ナトリウム(味の素)をつくっていました。このグルタミン酸ナトリウムの製造方法は、東京帝国大学理科大学教授の池田菊苗によって発見されました。

池田は、明治40年、昆布からうま味の素であるグルタミン酸ナトリウムを採取することに成功しました。グルタミン酸自体は明治初年にはすでに発見されていましたが、池田はそれが味覚に関係する「うま味」成分だということを証明しました。池田は翌年「グルタミン酸を主成分とせる調味料製造法」で特許を取得し、鈴木製薬所(現・味の素株式会社)の鈴木三郎助に商品化を依頼したのでした。

明治41年「味の素」が発売されました。発売当初から新聞広告などで活発な宣伝活動を行ったこともあって次第に普及し、大正11年には300万トン以上も生産量を上げ、国内だけでなく台湾、韓国、中国へも輸出されました。

鈴木三郎助ヘ緑綬褒章下賜ノ件
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関連資料

広告 味の素(株式会社鈴木商店)

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