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46. 池貝式標準旋盤の発明(池貝庄太郎)

展示資料は、昭和3年に池貝庄太郎が緑綬褒章を受章した際の文書です。

池貝は、旋盤(金属に切削加工を行う工作機械)等を発明し、日本の工作機械工業の発展に貢献した一人です。明治22年、池貝は東京芝で弟の喜四郎とともに池貝鉄工所(現・株式会社池貝)を興しました。同年池貝は、自工場に備えられていた英国製旋盤を複製し、英式9フィート旋盤2台の製造に成功しました。この頃工作機械は、国内の技術進歩により輸入品からの脱却が徐々に図られつつあり、池貝の旋盤も、民間製造の国産旋盤の一つとして中小機械工場の発展を支えるものとなりました。この他にも池貝は、蒸気機関、国産初の3.5馬力石油エンジン、ドイツ製を模したガス・エンジンなど外国製品を参考に各種発動機を発明しました。

明治38年、池貝は、米国人技師W・C・A・フランシスの技術指導を仰ぎ、米英折衷仕様の「池貝式標準旋盤」を発明しました。この製造過程で池貝は、フランシスから技術だけではなく生産方式をも学びました。それまで池貝では、機械がその機能を果たすことを第一に加工、仕上げの過程で調整して完成させていましたが、フランシスの指導は、米国式の規格で計測器を用いて図面との誤差を検査し規格通りに完成させるものでした。したがって、この方式によれば全てが規格部品となるため互換性があり、製品の大量生産を可能にしました。池貝は、主に軍需品の量産の過程においてこの生産方式を採用し、大正、昭和前期には日本を代表する工作機械メーカーにまで成長したのでした。

池貝庄太郎外二名褒章下賜ノ件
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