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20. 改良揚繰網漁法の発明(千本松喜助)

展示資料は、千葉県九十九里浜で鰯漁を営んでいた千本松喜助によって考案された「改良揚繰網(かいりょうあぐりあみ)」とその漁法を図解した絵図です。千本松は、明治21年、農商務省技師関沢明清が紹介した米国の巾着網に着想を得て、その網裾を絞る構造を取り入れ、揚繰網を開発しました。揚繰網とは、2隻の船で網を投入し魚群を囲い込んで採る漁法であり、網を両端から船内に繰り込むと同時に、引手綱を引いて網の下辺を素早く引き寄せ、魚が下に逃げるのを防ぐ工夫がなされています。

当時、不漁に悩まされていた各地の漁業家達は、新しい漁法の開発に注目していました。千本松の漁法も内国勧業博覧会などで紹介されると、各地から揚繰網の買付けが行われ、千本松自身も技術者として招聘され、その普及に尽くしました。また、千本松の揚繰網は各地で様々な改良が加えられました。

千本松喜助ヘ緑綬褒章下賜ノ件
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