2023年国際公文書館会議アブダビ大会参加報告

国立公文書館 統括公文書専門官室
公文書専門員 長岡 智子

開会式会場の様子(UAE国立図書館公文書館撮影)

開会式会場の様子(UAE国立図書館公文書館撮影)

はじめに
  2023年10月9日(月)から13日(金)まで、国際公文書館会議(International Council on Archives、以下「ICA」という。)の大会が、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビの国立展示センターにおいて開催され、当館から山谷英之理事他職員2名が参加した。
  ICAはアーカイブズに関する国際非政府組織で、150を超える国・地域の公文書館、専門職団体、専門職教育機関などが加盟している。ICAの大会は4年に一度開催されるが、アブダビ大会は新型コロナウィルス感染症の影響で2度の延期を経て、前回2016年の韓国・ソウル大会から7年ぶりの開催となった。UAE国立図書館公文書館(以下「NLA」という。)とICAが共催した本大会は、「知識社会を豊かにする(Enriching Knowledge Societies)」を総合テーマに、専門プログラム(基調講演、個別発表、パネル・ディスカッション、ワークショップ、ポスター発表等)、運営会合(執行委員会・通常総会等)、視察プログラム等で構成され、約140か国・地域から、アーカイブズ関係者ら3,300人以上が参加した。また、約60のアーカイブズ関係機関や企業等がブースを出展した。本稿では、大会の概要[1]及び会期中に行ったNLAの視察について報告する。

総会の様子(UAE国立図書館公文書館撮影)

総会の様子(UAE国立図書館公文書館撮影)

1.通常総会[2]
  通常総会(以下「総会」という。)ではICAの運営に関する重要事項が決定される。当館はカテゴリーAの会員(国や連邦を代表する公文書館等)として各議案の議決に参加した。財務関係では、執行委員会のもとに新設された「財務・会員小委員会」が分担金配分方法の本格的な見直しに着手したことが財務担当副会長から報告された。続いて2024年の分担金の増額や予算案に関する説明と採決が行われ、原案どおり承認された。
  また、今回の総会では、各国の国立公文書館の館長等で構成される国立公文書館長フォーラム(Forum of National Archivists、以下「FAN」という。)の新代表について、選挙の結果、Rita Tjien Foohスリナム国立公文書館長が選任されたことが報告された。また、ICAの諸活動に貢献があった個人に贈られるフェローの称号が、David Fricker前ICA会長や、アブダビ大会の開催に中心的役割を果たしたAbdullah Al Raisi前NLA館長らに授与された。

2.専門プログラム
  今大会では、上記総合テーマのもとに「平和と寛容」「アクセスと記憶」「新たな技術:電子記録、電子ソリューション」「持続可能な知識、持続可能な惑星:アーカイブズ、記録及び気候変動」「信頼と証拠」の5つのサブテーマが設けられた。6つの基調講演と9つのワークショップに加え、7会場に分かれて同時並行で開催されたセッションの数は合わせて60を超えた。各サブテーマに関連した個別発表やパネル・ディスカッションのセッション、ポスター発表のセッション、企画中の共同研究の紹介を行うCo Labセッション、短時間でプロジェクトやアイデアのプレゼンテーションを行うライトニング・トーク等があり、それぞれの取組の発表や活発な意見交換をとおして国際的な交流が図られた。

2023年ICAアブダビ大会 専門プログラム(英語)(日本語

2.1 基調講演
  基調講演では、社会発展への基礎としてのアーカイブズの意義、コミュニティや社会の融和機能などが、著名な講師によって語られた。講師の一覧は以下のとおり。

 10月10日  François Hollande前フランス共和国大統領
 10月11日  Sheikh Nahayan Mabarak Al Nahayan UAE寛容・共生担当大臣
 Laura Millar 著述家、アーキビスト、ICAフェロー
 10月12日  Shashi Tharoor インド国会議員、作家
 「ナショナル・アーキビストによる新技術に関するパネル・ディスカッション」
 司会: Ian Wilson ICAフェロー、元ICA会長
 パネリスト:
   Jeff James イギリス国立公文書館長
   Avril Belfon トリニダード・トバゴ国立公文書館長
   Hamad Al Mutairi UAE国立図書館公文書館アーカイブズ部長
 10月13日  Sheikha Shamma bint Sultan bin Khalifa Al Nahyan
 UAE独立気候変動アクセラレーター(UICCA)社長兼最高経営責任者

 

  Hollande前フランス大統領は、開会式直後の基調講演で、政治システムの健全性を確保していくため、効果的な記録管理が真に重要な責任を有するものであり、こうした観点から本大会が参加者にとって有意義なものとなるよう祈念すると述べた。
  UAEのNahayan Mabarak Al Nahayan大臣は、総合テーマ「知識社会を豊かにする」との関連で、人類社会発展のための知識の重要性に関する講演を行った。大臣は、正確な知識の獲得や有効活用によって、異なる文化や宗教の壁を越え、寛容さや多様性を享受する態度が生まれ、その結果、協力関係が築かれ、世界中の人々の生活の向上に結び付けることができると述べた。
  アーカイブズの世界で豊富な経験を有するMillar氏は、多くの体験談や文学作品からの引用に拠りながら、アーカイブズは、ただ資料を保管しているということではなく、社会やコミュニティ、人々のつながりや連帯を通じて、よりよい社会を実現していくためのものであり、そうした活動、アーカイブズへの信頼性が重要であると論じた[3]。
  インドのTharoor氏は、国家と社会、コミュニティや国のアイデンティティの形成過程と、歴史やアーカイブズとの関わりについて講演した。様々な世界史上の事象を例示し、歴史的現実や知識の活用における困難な側面を認識しつつ、分断ではなく融和にむけて記録を利用すべきであるという点を強調した。
  続いて、元ICA会長のWilson氏の司会によりパネル・ディスカッションが鼎談形式で行われた。そこでは、イギリス、トリニダード・トバゴ、UAEの3カ国の国立公文書館における、新技術の活用状況や将来戦略、デジタル技術を用いた国際協力の可能性等について、意見が交わされた。
  最終日の講師のSheikha Shamma氏は、UAE初代大統領の曽孫にあたり、ビジネスリーダー、社会起業家、著述家として幅広く活躍している。特にサステイナビリティ分野における活動で高い評価を得ており、講演では気候変動を理解し適切に対応していく上でアーカイブズが果たす役割について見解を述べた。

八日市谷デジタル推進室長による発表の様子

八日市谷デジタル推進室長による発表の様子

2.2 当館の発表等
  当館からは12日に開催された「革新的デジタル記録管理」のセッションにおいて、八日市谷哲生総務課デジタル推進室長が「日本における電子記録の管理、保存、利用の取り組み〜新たなデジタル時代の公文書館へ向かって〜」というタイトルで発表を行った[4]。
  冒頭で、日本の公文書管理と特定歴史公文書等の保存及び利用の仕組みについて概観し、基本的な法令や当館の位置づけについて説明した上で、当館の役割はますます重要になっていることなどを述べた。
  本論では、まず、当館のデジタル化推進の取組の紹介として、インターネット黎明期から当館が取り組んできた二つのデジタルアーカイブ事業と、電子記録の保存に関する取組について報告した。デジタルアーカイブ事業のうち、アジア歴史資料センターについては20年間の実績の紹介に加え、近年の資料提供範囲の拡大等、事業の拡充状況を述べた。当館所蔵資料のデジタルアーカイブについては、目録整備や画像提供の状況とともに、国内の公文書館等との横断検索や国全体のポータルであるジャパンサーチへの参加などを通じて、情報連携・データの利活用の促進に努めている現状を紹介した。そして、今後、新たな技術やサービスの導入により、一層の利便性向上やデータ利活用が課題となっていることを述べた。電子記録の保存については、2011年に稼働を開始した「電子公文書等の移管・保存・利用システム(ERAJ)」の紹介を中心に、電子公文書の長期保存に係る取組み実績について詳述した。
  次に、近年急速に推進されている国の行政文書の電子的管理に向けた取組について概況を報告した。まず「行政文書の電子的管理についての基本的な方針」(平成31年3月25日内閣総理大臣決定)が定められ、2026年度をターゲットとして行政文書の本格的な電子的管理の検討が進められていることと、デジタル庁の設置を始めとした行政サービス全体のデジタル化に向けた最近の政府の動き、公文書管理委員会デジタルワーキング・グループでの検討、行政文書の管理に関するガイドライン改正のポイントについて紹介した。
  さらに、これらの動きを踏まえ、当館における新たな取組として、デジタルアーカイブの更なる推進、デジタル技術を活用した飛躍的なサービスの向上、電子公文書に関する標準的な技術の導入、技術情報やノウハウ等の提供・普及の4点から、利用の促進や関係各方面との連携に係る今後の方向性を紹介した。最後に、2028年開館を目指している新館建設計画と、デジタル時代の新たな国立公文書館の姿について展望を述べて発表を結んだ。
  質疑応答では、地方への技術支援の重要性や博物館・図書館・公文書館の連携の取組、国の電子記録管理のシステム的な統合の方向性などに関する質問に回答した。
  なお、同じセッションでナイジェリア・デルタ州立教育大学のIhouma Sandra Babatope 氏から「電子記録管理の革新的ソリューション:途上国における新技術とベストプラクティスの探求」、スペイン・カタルーニャ自治州政府のEnric Cobo Barri氏とアイキャットメディア社のRamon Iglesias Romaguera氏から「アーカイブズに応用される技術の革新、研究開発:現在と未来のバーチャル・アーカイブズ」と題して発表が行われた。
  Babatope氏からは、途上国における電子記録管理の先端的取組みについて報告があった。実例として、ガーナ、ウガンダ、南アフリカ、ケニア、ナイジェリア、ルワンダ、インド、パキスタンの各国において実施されてきた国民識別情報や土地登記、財務金融関係の記録管理システム等の例が紹介された。技術導入と運用に伴う課題については、人材育成やリテラシー向上の必要性に加え、電力や法令等の社会経済的インフラをさらに整備することの重要性が指摘された。
  Barri氏とRomaguera氏からは、カタルーニャ州立公文書館(National Archives of Catalonia)[5]によるバーチャルリアリティを利用した普及事業の報告があった。まずBarri氏がプロジェクト[6]の概要について述べた。カタルーニャ自治州内にある26の公文書館で資料のオンライン提供等の「バーチャル・アーカイブズ」サービスが提供されてきたが、新しいプロジェクトは、これをさらに進化させ、利用者がバーチャルに公文書館を訪問することで両者をより密接に結ぼうとするものである。プロジェクトの目標は、メタバースを視野に入れた仮想プラットフォームの活用システムの構築で、バーチャルなアーカイブズ資料へのアクセスを可能にすることで利用者層や利用方法の拡大を図り、情報アクセスセンターとしての公文書館の社会的位置付けの強化を図ることができるとする。発表の後半は開発担当チームのRomaguera氏から技術的な解説が加えられた。リポル(Ripollès)郡公文書館及びバッジ・リュブラガート(Baix Llobregat)郡公文書館の例が紹介され、各館のツアーへのアクセス状況の分析結果等についても報告された。

2.3 その他のセッション等
  今大会の専門プログラムにおける発表テーマを概観すると、まず、AIやSNS、立体物のデジタル化など、デジタル技術の利活用や課題に関する発表の多さが目を引いた。また、気候変動、紛争と和解の問題、包摂的な利用者開拓等、極めて今日的課題に係る発表が数多く見られた。
  各国の国立公文書館の館長等で構成されるFANは、3つのセッションを企画・主催した。そこでは旧植民地等のアーカイブズ資料の共同利用や、デジタル化に関する各国立公文書館の取組みが紹介された。また、ICAが運営するプログラムのうち、新規専門職プログラムのセッションでは、同プログラムの今年度の参加メンバーが1年かけて行ってきたボランティアの活用に関する調査研究の成果を発表した。
  ICAの専門セクションや専門家グループによるワークショップやセッションも多数開催され、活動内容の共有や意見交換の場として活用された。例えば、スポーツアーカイブズ・セクション(SPO)によるスポーツ関連記録の保存利用の普及に関するワークショップ、デジタル・物理的記録の管理専門家グループ(EGMDPR)による電子記録管理の標準に関するワークショップ、法的事項専門家グループ(EGLM)による向こう3~5年間の活動計画に関する意見聴取を行うためのワークショップ、アーカイブズ記述専門家グループ(EGAD)による目録記述の新国際標準レコード・イン・コンテクスト(RiC)に関するワークショップやセッション等が開催された。
  数多くのセッションから、一例ではあるが、利用者の拡大を目指した取組に関するセッションの概要を紹介する。
  セッション2.12「アーカイブズを人々の元へ:利用者開拓と十分なサービスを受けていないコミュニティ(Taking Archives to the People: Audience Development and Underserved Communities)」はパネル・ディスカッション形式で開催され、パネリストはカナダ国立図書館公文書館(以下「LAC」という。)のLeslie Weir、イギリス国立公文書館(以下「TNA」という。)のAndrew Payne、アメリカ国立公文書記録管理院(以下「NARA」という。)のPamela Wright、イギリスの帝国戦争博物館(以下「IWM」という。)のMaria Castrillo、南アフリカ大学のNampomb Saurombeの各氏が務めた。
  Weir氏からは、建設中のLACの新施設「Ādisōke」の設計に際し広く一般から意見を集めた経過について報告がなされた。LACの長期戦略の根幹に据えられた、より多くの人に資料と接する機会を提供するというビジョンに基づき、オンラインや対面で約7,000人から意見を集約したとのことで、中でも当該施設が建設される土地の先住民と多くの対話を重ね、彼らの意見を設計に取り入れた経緯が詳しく述べられた。また、代表的な利用者の人物像「ペルソナ」を設定し、それぞれが求めるサービス内容の分析を通じて、利用者層の拡大と資料への包括的かつ有機的アクセスの確立に向けた検討を進めている現状が示された。
  Payne氏からはTNAの教育プログラムの対象の検討に関する発表があった。TNAでは、より多数かつ多様な利用者との関係づくりを目指して利用者層の拡大を図っている。現在の利用者を7つのセグメントに分け、分析した結果、ここから漏れる層として児童生徒の存在に注目し、学校教育との連携を強化した経緯が語られた。難民の子ども向け、家族向け、教員向け等の多様なプログラムが紹介され、さらに2030年までにオンラインを含め教育とアウトリーチのサービスを利用する生徒数を3倍に増やす目標達成のため、出張プログラムを開始したことが「20年代の街並み」[7]という事例を使って報告された。
  Wright氏はNARAのデジタル技術を用いた最近の取組を紹介した。特に2022年4月に公開した1950年の全米国勢調査記録の専用サイトで、AIを活用して整備した人名検索機能を提供している事例 や、目録記述の差別的な表現等の修正及びこれまで十分なサービスを受けてこなかった人々へのサービス向上を目指すデジタル化推進の取組 について、主にプエルトリコ移民関連記録のデジタル化プロジェクトの事例を取り上げて詳しく説明した。
  Castrillo氏の発表ではIWMにおける「ソーシャルインパクト・フレームワーク」というツールを用いた利用者サービスの評価作業の事例が紹介された。IWMは単なる軍事博物館ではなく戦争の影響に関する社会史の博物館の位置付けを有し、この観点から閲覧サービスに力を入れてきた。歴史研究者が利用者の大半を占める現状を踏まえ、資料提供サービスの改善を目的に、既存の利用者向けプログラムの社会的価値について評価を行った結果が報告された。
  最後にSaurombe氏は大学の立場から公文書館への協力の可能性について発表した。アパルトヘイト撤廃後に成立した現在の南アフリカの公文書管理制度の歴史はまだ浅く、記録の保存や利用における不公平性など多くの問題を抱えている。南アフリカ大学は、これまで築いてきた学外のコミュニティとの連携実績を活かして、コミュニティと公文書館を結びつけるための取組を行っており、その中から普及プログラムに係るアーキビストの能力育成プロジェクトと、コミュニティとの連携を通じて所蔵資料の変容を目指すプロジェクトの成果が報告された。

山谷理事によるUAE国立図書館公文書館長表敬

山谷理事によるUAE国立図書館公文書館長表敬

3.NLAの視察
  会期中に当館の山谷理事が、今大会の共同主催者であるNLAのAbdulla Majid Al Ali館長を表敬訪問し、開催に当たっての尽力に謝意を述べた。その後、市内にある同館施設を訪問し、UAEの建国のあゆみなどを紹介する常設展示を視察した。
  NLAは1968年に、当時のアブダビ首長(のちに初代UAE大統領)の指導のもと、アラビア半島地域、特にUAEの歴史と文化に関する記録と情報の収集を目的に設立された「文書調査局」を起源とする、湾岸地域の代表的なアーカイブズ機関である。現在は図書館と公文書館の複合機関として、大統領府のもとに置かれている。施設はICAの大会が開催された国立展示センター近隣の官庁街の一角にあり、城塞を模した外壁と正門の大きなアーチが特徴的である。建物に入ると、4階まで吹き抜けの広いエントランスホールはガラス張りのドーム型天井になっており、このスペースを囲むように各室が配置されている。1階に常設展示室があり、上階に閲覧室等がある。なお、この施設の他に最近建設された保存修復センターがある。

UAE国立図書館公文書館展示ホールの様子

UAE国立図書館公文書館展示ホールの様子

UAE憲法草案

UAE憲法草案


  常設展は19世紀以降のUAEの建国史を文書資料やモノ資料で紹介したもので、全体にビジュアルやデジタル技術を多用したインタラクティブな展示となっている。連邦前史となる古い時代の資料はポルトガル、オランダ、イギリス、インドの各国立公文書館等の所蔵資料の複製物を展示しているが、UAE建国に当たって各首長が署名した憲法草案等の重要資料は原本を展示していた。順路に沿って建国に至るイベントや資料が紹介され、7つの首長国のまとまりを示すシンボリックな空間が演出されたコーナーを経て、最後はバーチャルリアリティ装置を使ったUAEの100年後の未来を体験するコーナーで完結する。全体にわかりやすく、観覧者を惹きつけ、飽きさせない工夫が凝らされた展示であった。

おわりに
  今大会は、中東初の開催であったことに加えて、ポストコロナで国際的なヒトの移動が本格的に再開された中で、当初予定から大幅に遅れて開催に至ったものであった。規模の大きさには、開催に向けたホスト国の熱意や推進力が強く感じられた。アラビア語の同時通訳も配され、発表者・参加者とも中東地域から非常に多く集まったことも特徴的だったといえよう。ICAの次の国際会議は、2025年秋のバルセロナにおける大会が予定されている。昨今の国際情勢を始め、様々な課題を前に、専門家による国際協力はますます重要性を増している[10]。そのための枠組みとしてICAが果たす役割にも大きな期待が持たれるところである。

〔注〕
[1] ICAウェブサイトに掲載された概要報告も併せて参照されたい。(英語)
10月9日https://www.ica.org/ica-congress-abu-dhabi-2023-day-0-summary/(2024年2月26日アクセス)
10月10日https://www.ica.org/ica-congress-abu-dhabi-2023-day-1-summary/(2024年2月26日アクセス)
10月11日https://www.ica.org/ica-congress-abu-dhabi-2023-day-2-summary/(2024年2月26日アクセス)
10月12日https://www.ica.org/ica-congress-abu-dhabi-2023-day-3-summary/(2024年2月26日アクセス)
10月13日https://www.ica.org/ica-congress-abu-dhabi-2023-day-4-summary/(2024年2月26日アクセス)
[2] ICAでは毎年開催される通常総会に加え、憲章の改定等、より重要な事項を決定するための臨時総会が随時開催される。
[3] Millar氏は、2023年11月に中国・深センで開催された国際公文書館会議東アジア地域支部(EASTICA)のセミナーでも基調講演を行っている。詳しくは、今号(情報誌『アーカイブズ』91号)に掲載される、太田由紀「2023年EASTICA第16回総会及びセミナー参加報告」を参照されたい。
[4] 当館の発表資料は以下を参照。
https://www.archives.go.jp/about/activity/international/pdf/ICA_congress_abu_dhabi_9_12_oct_2023_report_from_NAJ.pdf (2024年1月11日アクセス)。なお、この資料を含め、発表に用いられたスライド資料(ICA CONGRESS ABU DHABI PRESENTATIONS)はICAによって公開されている。
https://www.ica.org/congresses-conferences/abu-dhabi-congress-2023/(2024年2月26日アクセス)。
[5] スペインでは地方の独立性が高く、国の中央公文書館に加えて、カタルーニャ、バスク、ナバーラ、マドリードの各自治州の中央公文書館がICAのA会員として加盟している。ここでは便宜上「カタルーニャ州立公文書館」と訳すが、同館は「ナショナル・アーカイブズ」を名乗っている。https://anc.gencat.cat/en/inici/(2024年1月11日アクセス)
[6] 当該プロジェクトでは2種類のプログラムが開発中である。グーグル・マップのストリートビューで公開されている、建物の外観と内観を順に見ていくバーチャルツアー・プログラム(「ステップバイステップ」)と、専用サイトで公開されていて館内施設の選択的な訪問や資料画像の解説等も見ることができるガイド付きツアーのプログラム(「インタラクティブ・マルチメディア」)である。いずれも通常は一般の立入を許可していない書庫内の様子等を見ることができる。詳細は以下を参照。https://www.xac.tours(2024年1月11日アクセス)
[7] イングランドとウェールズの4つの小学校で、デジタル化された1920年の国勢調査の資料を使って、それぞれの地元の当時の様子を再現するもの。授業の様子を紹介する動画が公開されている。
20sStreets Educationhttps://www.youtube.com/watch?v=eO3yliYrEAM Project – Bringing local history to life for children – YouTube(2024年1月11日アクセス)。
[8] https://1950census.archives.gov/(2024年1月11日アクセス)
[9] https://www.archives.gov/research/reparative-description(2024年1月11日アクセス)
[10] 例えば、イギリス国立公文書館によるウクライナのアーカイブズ記録の電子的緊急避難措置の事例がある。詳細は以下を参照。
https://www.nationalarchives.gov.uk/about/our-role/plans-policies-performance-and-projects/our-plans/archives-for-everywhere/our-international-work-and-its-impact/#cultural-heritage(2024年1月11日アクセス)。
拙稿「2022年国際公文書館会議ローマ隔年会合参加報告」(『アーカイブズ』第86号、2022年11月)でも経過を簡単に紹介したhttps://www.archives.go.jp/publication/archives/no086/12751(2024年1月11日アクセス)。なお、ICAの有志により策定された「危機に瀕したアーカイブズのための安全避難所に関する指針(Guiding Principles of Safe Havens for_Archives at Risk)」については、以下を参照https://www.ica.org/resource/guiding-principles-for-safe-havens-for-archives-at-risk/ (2024年2月26日アクセス)。