歴史資料として重要な公文書等の受入れは、公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号)の定めるところに従って行うことになりました。国の機関及び独立行政法人等が保有する歴史資料として重要な公文書等の保存期間が満了すると国立公文書館等に移管されます。国の行政機関が保存期間の満了した行政文書を廃棄する場合は、内閣総理大臣の事前の同意が必要で、歴史資料として重要な公文書等の確実な移管が確保されています。
具体的な移管に当たっては、当該行政機関と移管の期日等について詳細な打合せを行う等の準備を進めた上で、移管を受けることとしています。
(1)くん蒸
特定歴史公文書等(国の機関等から受け入れた歴史公文書等)は、かび・虫害等を防ぐために、くん蒸されます。くん蒸には、酸化エチレンを主剤としたガスによる減圧式くん蒸装置を使用し、一連の作業に要する日数は、10日程度です。
(2)整理・排架
くん蒸処理、整理が終わった特定歴史公文書等は、直射日光、高温多湿、塵埃、大気汚染物質等から保護するために、温度22℃、湿度55%の空調設備の整った書庫に収納されます。
書庫内は、火災に備えて、煙感知器、炭酸ガス及びイナージェンガス噴射による消火設備等が整備されています。
(3)目録の作成
特定歴史公文書等の適切な管理及び効率的な利用を図るため、簿冊の標題を記載した目録(簿冊目録)と必要に応じて簿冊に綴じ込まれている特定歴史公文書等のそれぞれの件名を記載した詳細な目録(件名目録)を作成しています。
また、インターネット等を通じての検索のためにデータベース化も行っています。
貴重で利用頻度の高い特定歴史公文書等は、閲覧等によって生ずる破損・汚損から原本を保護するため、マイクロフィルム化を図っています。約12万冊(平成22年3月末現在)の特定歴史公文書等をマイクロフィルム化し、閲覧に供しています。
また、学問的価値の高い貴重な古典籍や、閲覧頻度の高い資料は、原本保護の必要性から紙焼付け等によって複製本を作製し、その写真版を閲覧に供しています。
当館が所蔵する資料の中には、経年による消耗に加え、虫・ネズミ・水・煙害・酸性化等によって損傷を受け、閲覧等の利用に支障を来しているものも多くあります。
これらは専門的技術を持った職員の手により資料の破損の程度を見極め、部分的虫直し、全面裏打ち、入紙、リーフキャスティング等の種々の方法で修復を加えています。
特定歴史公文書等は、個人の権利利益を害するおそれその他合理的な理由があるものを除き、利用することができます。
特定歴史公文書等は、所定の手続きを行えば、誰でも閲覧することができます。また、所定の手数料をお支払いいただくことにより、写しの交付を受けることもできます。
特定歴史公文書等の適切な管理及び効率的な利用を図るため、簿冊の標題を記載した目録(薄冊目録)と、必要に応じて簿冊に綴じ込まれている特定歴史公文書等の、それぞれの件名を記載した詳細な目録(件名目録)を作成しています。また、デジタルアーカイブにより、インターネットを通じて、目録情報の検索や画像等の利用ができます。
所蔵資料による通年の常設展や春と秋に特別展を開催しています。
特定歴史公文書等の目録、検索方法などに関する問い合わせに対応しています。電話、書面等でお問い合わせください。
学術研究、社会教育等の公共的目的を持つ行事等に特定歴史公文書等の利用を希望する場合には、当館の規則等に基づいて貸出しを行っています。