独立行政法人国立公文書館は、NAAが所蔵する戦前の日系企業記録(以下「日系企業記録」という。)について、日本への移送に関する覚書を本年7月18日に作成し、10月末日までに、全3,311箱を5回に分割し、航空便で全て日本に移送しました。
移送の完了を受け、在オーストラリア日本大使館及びNAAの御厚意で、11月21日にキャンベラの日本大使公邸において、日本大使館及びNAA共催の譲渡式が開催され、当館館長も出席致しました。
加藤館長は、日系企業記録をオーストラリアで70年以上大切に保存していただいたことへの感謝を述べると共に、日系企業記録寄贈プロジェクトに取り組む中で、当館とNAAとで友好協力関係を築けたことが、当館にとってかけがえのない財産となったこと、こうした事業を契機として、両館、そして両国の友好の絆が、ますます確かなものとなることを祈念している旨、譲渡式参加者に伝えました。
寄贈式会場では、日系企業記録の写真などを用いたパネル展示が、NAAにより用意されており、日豪の譲渡式参加者らが、当時の在豪企業の活動や駐在員の生活の様子に触れながら交流を深める機会となりました。
今後、平成30年3月に当館とNAAとの間で正式に寄贈契約を締結し、寄贈から1年以内に、くん蒸や目録の作成等を実施し、一般の利用に供する予定です。
日系企業記録譲渡の様子
写真展示を観覧する加藤館長