企画展

平成29年度 第3回企画展 江戸の花だより

平成29年度 第3回企画展江戸の花だより


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概要

当館が建つ北の丸公園一帯では、秋から冬にかけて紅葉が見ごろになります。江戸時代の人々も、植物を通して四季の移ろいを楽しんでいました。本展では、植物図譜を中心に、園芸書、名所図会なども取り上げ、江戸時代の人々の植物へのまなざしをご紹介いたします。

主な展示

庶物類纂図翼

『庶物類纂図翼』(しょぶつるいさんずよく)
 幕臣の戸田祐之(とだすけゆき)が描いた薬草類の写生画集。安永8年(1779)に幕府へ献上され、本草書である『庶物類纂』(稲生若水・丹羽正伯編)の参考図録として有用であるとの意味から、この書名が与えられました。画像は「紫金牛」です。日本名ではヤブコウジという植物で、別名は十両です。平成8年(1996)、『庶物類纂』とともに国の重要文化財に指定されました。



古今要覧稿

『古今要覧稿』(ここんようらんこう)
 幕臣で、書家・歌人・国学者・蔵書家としても知られる屋代弘賢(やしろひろかた)が編纂した百科全書です。和漢の文献から関連する記事を抄出し、必要に応じて絵図や解説を加えています。文政4年(1821)から天保13年(1842)にかけて、順次、幕府へ献上されました。画像は唐錦という品種の椿です。



あさかほ叢

『あさかほ叢』
 朝顔の珍種を収録した多色刷の図集。文化・文政期(1804〜1829)に江戸で変化朝顔が大流行しました。その流行の最中に刊行されたのが本書で、文化13年(1816)の序があります。描かれている黄色い朝顔は現存しないことから、幻の朝顔と呼ばれています。



『江戸名所図会』

『江戸名所図会』(えどめいしょずえ)
 江戸および江戸周辺地域を対象とした絵入り地誌です。編者は江戸神田の町名主の斎藤家父子三代(長秋・莞斎・月岑)で、挿絵は長谷川雪旦が描いています。天保5年(1834)、同7年の2回に分けて刊行されました。画像は「海晏寺紅葉見之図」です。海晏寺(かいあんじ)は現在の品川区南品川にあるお寺で、江戸の紅葉の名所でした。