春秋の特別展バー

令和6年夏の特別展 「お札に描かれた人物―公文書で見る紙幣の歴史―」

公文書で見る東京オリンピック開催への道ポスター



【展示会】

概要

 私たちの生活に欠かせない紙幣。日本の紙幣には様々な人物の肖像が描かれています。紙幣の代名詞ともいえる肖像にはどのような人物が選ばれてきたのでしょうか。 令和6年(2024)7月には新紙幣が発行されます。この機会に、お札に描かれた人物と近代日本の紙幣の歴史について、当館所蔵資料を中心にご紹介します。



主な展示資料


日本銀行兌換銀券の画像

日本銀行兌換銀券の発行【重要文化財】
 明治15年(1882)、紙幣発行を行う唯一の銀行として日本銀行(にっぽんぎんこう)が設立されます。明治17年に兌換(だかん)銀行券条例が制定され、明治18年から大黒天(だいこくてん)が描かれた紙幣(日本銀行兌換銀券(にっぽんぎんこうだかんぎんけん))が発行されました。画像は国指定重要文化財「公文録(こうぶんろく)」より、明治18年に発行された百円札と一円札の見本です。 ※資料保存のため、原本については期間限定の展示となります(原本展示期間外はパネル展示)。




大蔵大臣から内閣総理大臣に提出された閣議を求める文書

兌換銀券に肖像を描く
 明治20年(1887)、大黒天に替えて今後、各種紙幣の人像は、「日本武尊(やまとたけるのみこと)」、「武内宿禰(たけしうちのすくね)」、「藤原鎌足(ふじわらのかまたり)」、「聖徳太子(しょうとくたいし)」、「和気清麿(わけのきよまろ)」、「坂上田村麿(さかのうえのたむらまろ)」、「菅原道真(すがわらのみちざね)」を描くことが提案され、閣議決定を経て9月19日に裁可(さいか)されました。 画像は大蔵大臣から内閣総理大臣に提出された、閣議を求める文書です。その後、昭和21年(1946)の「新円切り替え」による紙幣発行まで、この中から紙幣の人物肖像が選ばれました。




文書の発出に関する決裁文書に添付された屋内総合競技場(現在の国立代々木競技場)の図面

印刷局の功労者として渋沢栄一等が表彰される
 紙幣の製造は、大蔵省紙幣司(しへいし)、紙幣寮(しへいりょう)、紙幣局、印刷局などを経て、現在は独立行政法人国立印刷局が行っています。大正10年(1921)、紙幣司(寮)創設から50年となることから印刷局五十年記念祝典が行われ、渋沢栄一らが表彰されました。渋沢は初代紙幣頭(しへいのかみ)(紙幣寮のトップ)を務めたことから、印刷局の功労者とされました。画像は渋沢らの表彰と銀杯の贈呈に関する文書です。
 渋沢は令和6年(2024)7月から発行される、新しい一万円紙幣の肖像に採用されています。


○会場で展示している「紙幣寮前面」(附A00024100)は会期中に展示替えを行います。


【音声ガイド】
【まなびシート】
【終了】【関連イベント】記念講演会 【終了】【関連イベント】展示解説会 【終了】【関連イベント】小学生、中高生向けイベント 【終了】【原本特別展示】「終戦の詔書」原本特別展示