新日本の建設へ

42.臨時法制調査会答申

纂03091100(件名2)

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昭和21(1946)年7月3日、憲法附属法令の制定・改廃の準備のために臨時法制調査会(会長吉田茂内閣総理大臣、副会長金森徳次郎国務大臣)が設けられ、議会での帝国憲法改正案審議と併行して調査が進められていました。同年10月26日、臨時法制調査会から民法や刑法など19件の法律案要綱が内閣総理大臣に対して答申されました。

資料は、臨時法制調査会が出した答申です。

43.新収原簿 昭和21年度

平23公文00574100

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GHQに対し「孤軍奮闘こぐんふんとう」で憲法改正草案の折衝にあたった佐藤達夫が驚いたのは、GHQが日本国内で定評のあった和英辞書などを写真版に撮って、本物そっくりの複製本を何冊も完備して日本政府側と交渉していたことでした。

戦災によって辞書の類まで失っていた日本政府側も「ことばの壁」の克服に乗り出します。のちに国立公文書館の一部となった内閣文庫は、政府の行政図書館としての機能も持っていましたが、昭和21(1946)年度には多くの英和・和英辞書を購入しています。印刷用紙は配給制の時代であり、調達できたのは必ずしも最新版の辞書ばかりではなく、確保できた冊数にも限りがありました。

資料は、日本政府が購入などで新たに入手した図書の登録簿です。

44.借用照会綴 法制局

平23公文00640100

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昭和21(1946)年7月20日、衆議院で憲法改正の審議が進んでいた頃、法制局は「事務参考」のため、アメリカの連邦・州の憲法や植民地憲章関連の書籍と一緒に”The Shorter Oxford English Dictionary”という辞書を借り出しています。帝国議会における憲法審議、戦後改革に伴う諸法令の立案・審査を担う法制局にとっても、内閣文庫の書籍や辞書はなくてはならない存在であったようです。

45.The Shorter Oxford English Dictionary

E032049

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法制局が借り出した英語辞書The Shorter Oxford English Dictionary は金森も使用しています。後年、金森は帝国議会での答弁に際してsymbol(象徴)という言葉の意義を、このオックスフォードの辞書で調べ、参考としたと語っています。