GHQとの対峙

12.マッカーサー憲法草案(閣議配付資料)

平14内閣00002100(件名26)

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昭和21(1946)年2月13日の会談で提示されたGHQ憲法草案の受入れについて議論が行われた閣議においても、その内容を知っている閣僚は松本大臣のほか、ごくわずかでした。22日の閣議で、ようやく草案の最初の一部分の日本語訳が審議の参考のために配付され、その受入れが事実上決定されたことから、その日のうちに松本烝治・吉田茂両相とホイットニーとの会見に至ります。

草案の全文の日本語訳(外務省訳)が配付されたのは26日の閣議でした。資料は、2月26日の閣議で配付された日本語訳の草案です。

13.司令部における顛末(佐藤法制局第1部長手記)

資00172100(件名5)

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松本烝治大臣、入江俊郎法制局次長、佐藤達夫法制局第1部長は、昭和21(1946)年3月11日を目途に日本側としての憲法改正草案の起草に改めて着手しました。ところが、GHQから督促があり、結局は予定を繰り上げ、3月4日に日本語の草案のまま提出することになりました。

資料は、草案の提出に当たり松本大臣に随行した佐藤達夫の手記です。松本大臣に随行して急きょGHQ本部に向かった佐藤は、GHQ側と衝突して途中で松本が帰ってしまったため、松本に代わって、残る限られたスタッフらと夜を徹して日本側草案の英訳とその逐条ちくじょう審議に当たりました。GHQとの対峙の末、草案の内容が確定したのは翌5日の夕方でした。