「失意ノ淵」からの再生

6.帝国憲法の改正に関し考査して得たる結果の要綱(近衛草案)

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近衛文麿の要請で内大臣府御用掛になった佐々木惣一ささきそういち(元京都帝国大学教授)による憲法改正に関する調査は、GHQが近衛の進める憲法改正案への関与を否定した声明を発した後も続けられました。

内大臣府が昭和20(1945)年11月24日をもって廃止されることになると、同月22日に近衛は憲法改正が必要であるとの奉答ほうとうを行いました。資料は、近衛による草案です。その内容は、憲法の基本的枠組を維持しながら、天皇の権限の制限や臣民の自由の尊重など、GHQが求める憲法改正の方向性をかなり反映したものでした。

7.帝国憲法改正の必要(佐々木草案)

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佐々木惣一は、近衛文麿とは別に昭和20(1945)年11月24日に奉答を行いました。資料は、佐々木による草案です。その内容は、憲法改正の必要性を認めつつも、天皇に関する第1条から第4条について変更がないなど、近衛草案以上に帝国憲法の基本的枠組を維持した改正案となっていました。