企画展

国立公文書館つくば分館 令和3年度 春の企画展「翼の軌跡−公文書で辿る日本の航空史−」

「翼の軌跡−公文書で辿る日本の航空史−」

【展示会】

概要

 日本に飛行機が導入されたのは明治時代末でした。当時は、軍用機として開発が進む一方、民間でも飛行機の活用の道が探られました。大正時代から昭和戦前期にかけて、航空機は飛躍的に進歩し、国内では各種制度の整備に加え、民間航空輸送の開始や飛行場の整備などの動きが現れました。
 終戦後、占領軍によって航空機の研究開発、生産、運行などが禁止されましたが、講和、独立を経て、禁止が解除されると、民間航空の再開、戦後初の国産旅客機であるYS-11の開発など、日本の航空は復興の道を歩みます。
 本展では、航空に関する制度や人物に関する資料を展示し、日本の航空が辿った歴史をご紹介します。

主な展示資料

二宮忠八叙勲ノ件

二宮忠八叙勲ノ件
 明治22年(1889)、二宮忠八は鳥の飛行に着想を得て、「飛行器」を考案しました。二宮の飛行器は模型による動力飛行にとどまりましたが、ライト兄弟の飛行よりも早く実験に成功したことから、 航空機の歴史における功績が評価されました。資料は昭和2年(1927)に二宮が勲章を授与された際の文書です。



英国陸軍飛行競技に関する件

英国陸軍飛行競技に関する件
 大正元年(1912)、イギリスで飛行競技会が開催されました。資料は、同競技会について、日本海軍の駐在武官が作成した報告書に添付された写真です。 写真には、モーリス・ファルマンやハンドレー・ページなどの飛行機や、ファーンボローの航空機関係施設などが写っています。



航空機工業振興法の一部を改正する法律

航空機工業振興法の一部を改正する法律
 昭和33年(1958)、航空機の国産化や、国内航空機産業の振興等を目的として、航空機工業振興法が公布されました。 翌年、同法が改正され、日本航空機製造株式会社が設立されます。戦後初の国産旅客機であるYS-11は、同社で生産されました。資料は昭和34年、同法が改正された際の文書です。