EASTICA第16回総会及びセミナー(中国・深セン)参加報告―2024年の日本での会合開催を決定―


 当館は、アーカイブズに関する国際非政府組織である国際公文書館会議(International Council on Archives, ICA)の地域支部の一つ、ICA東アジア地域支部(East Asian Regional Branch of the ICA, EASTICA)に加盟しています。 EASTICAには、日本、中国、韓国、北朝鮮、モンゴル、香港、マカオ(5か国、2地域)の中央アーカイブズ機関のほか、専門職団体、専門職教育機関等が加盟しています。
 この度、EASTICA第34回理事会、第16回総会及びセミナーが中国広東省深センにおいて開催され(会期:2023年11月28日(火)から12月1日(金) 主催:中国国家档案局、EASTICA 共催:深セン市档案館)、当館からは、鎌田薫館長ほか職員2名が参加しました。
 今会合は、新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミック収束後の初の完全対面での会合であり、国・地域の代表を含め約130名の参加があり、会合テーマ「デジタル時代におけるアーキビストとアーカイブズの役割」のもと、様々な発表を通じて活発な意見交換が行われました。


1.理事会

 理事会は、EASTICAの総会の議題を準備し、業務計画及び予算を勧告するほか、総会によって採択された計画の実行に責任を負う組織です。今回の理事会の主な検討結果は、次の2点です。 まず、EASTICAの議長と副議長が任期(4年)を満了することから、新たな議長にハ・ビョンピル(Ha Byoung Pil)韓国国家記録院長、副議長に当館の鎌田館長(いずれも任期は、2023年〜2026年)を総会に推薦することが決まりました。次に、来年度のEASTICA理事会及びセミナーの開催地に日本を推薦することが承認されました。


2.総会

 総会では、ハ韓国国家記録院長がEASTICA議長に、当館の鎌田館長がEASTICA副議長に就任することが決まりました。これにより、2023年〜2026年の経営体制は、以下のとおりとなります。
  議長:ハ・ビョンピル(韓国国家記録院長)
  副議長:鎌田薫(日本国立公文書館長)
  事務局長:イ・サンミン(韓国)
  会計官:イム・シニョン(韓国)
  主な理事:中国、モンゴル、香港、マカオの中央アーカイブズ機関長

 また、来年度のEASTICA理事会及びセミナーの日本での開催が正式に決定されました。


3.セミナー

 基調講演では、アーカイブズコンサルタントのMs. Laura Agnes Millar(カナダ)が「サギとハチドリ:デジタル時代における、遅くて速い記録管理」、 ICAフェローのMr. Adrian Edward Cunningham(オーストラリア)が「デジタル時代の新たな需要と新たなサービス:デジタル時代におけるアーカイブズの持続可能な発展」と題した発表を行いました。また、中国や韓国の研究者等4名も発表を行いました。
 国・地域別報告のセッションでは、日本、韓国、中国、モンゴル、香港、マカオの各代表が、デジタル時代において行っている取組を報告しました。
 なお、セミナーでの報告資料は、本会合終了後EASTICAのホームページ(外部サイトへ飛びます)に掲載されました。


※本会合の詳しい内容は、当館の情報誌「アーカイブズ」第91号に掲載する予定です。



  • 6人の理事会面が―が並んでいます

    理事会メンバー

  • EASTICA事務局長が開会式で話す様子

    総会開会式でのEASTICA事務局長(写真 中国国家档案局)

  • 壇上で報告する当館職員

    国・地域別報告で発表する当館職員

  • 発表に耳を傾ける会場の参加者

    会場の様子(写真 中国国家档案局)