ICAアブダビ大会等参加報告


 2023年10月9日(月)から13日(金)まで、 国際公文書館会議(International Council on Archives, ICA)の大会が、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビの国立展示場において開催され、当館から山谷英之理事他2名が参加しました

 ICAはアーカイブズに関する国際非政府組織で、150を越える国・地域の公文書館、専門職団体、専門職教育機関などが加盟しています。ICAの大会は4年に一度開催されますが、アブダビ大会は新型コロナウィルス感染症の影響で2度の延期を経て、 前回ソウル大会から7年ぶりの開催となりました。UAE国立図書館公文書館とICAが共催した本大会は、「知識社会を豊かにする(Enriching Knowledge Societies)」を総合テーマに、専門プログラム(基調講演、個別発表、パネルディスカッション、ワークショップ、ポスター発表等)、 運営会合(執行委員会・通常総会等)、視察プログラム等で構成され、約140か国・地域から、アーカイブズ関係者ら3,300人以上が参加しました。
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1.専門プログラム

 今大会では、上記総合テーマのもとに「平和と寛容」「新たな技術:電子記録、電子ソリューション」「持続可能な知識、持続可能な惑星:アーカイブズ、記録及び気候変動」「信頼と証拠」「アクセスと記憶」の5つのサブテーマが設けられました。 フランソワ・オランド前フランス共和国大統領やシェイク・ナヒヤーン・ビン・ムバーラク・アール・ナヒヤーンUAE寛容共存大臣等による6つの基調講演のほか、各サブテーマに関連した64のセッション、9つのワークショップに加えポスター発表も行われ、 それぞれの取組の発表、活発な意見交換が行われるとともに、国際的な交流が図られました。
  >>大会専門プログラムは【コチラ】(英語) [外部サイトへ飛びます]

 当館からは、メインホールで開催された「革新的なデジタル記録管理」のセッションにおいて、八日市谷哲生総務課デジタル推進室長が「日本における電子記録の管理、保存、利用の取り組み〜新たなデジタル時代の公文書館へ向かって〜」というタイトルで発表を行いました。 我が国におけるデジタルアーカイブや電子公文書の保存、国の行政文書の電子的管理の取組、今後の当館におけるデジタル推進の方向性などについて報告し、会場からの質問に答えました。
  >>当館の発表資料は【コチラ】(PDF:2.5MB)


2.通常総会

 通常総会(以下「総会」という。)ではICAの運営に関する重要事項が決定されます。当館はカテゴリーAの会員(国や連邦を代表する公文書館等)として各議案の議決に参加しました。 また、今回の総会では、国立公文書館長フォーラム(Forum of National Archivists, FAN)の新代表にRita Tjien Foohスリナム国立公文書館長が就任したことが報告され、ICAの諸活動に貢献があった個人に贈られるフェローの称号がDavid Fricker前ICA会長らに授与されました。 財務関係では、来年の分担金の増額や予算案について財務担当副会長による説明に続き採決が行われ、原案どおり承認されました。


3.UAE国立図書館公文書館

 会期中に、当館山谷理事が、今大会のホストであるUAE国立図書館公文書館のアブドゥラ・マジド・アル・アリ館長を表敬訪問し、開催に当たっての尽力に謝意を述べ、親善を図りました。 また、市内にある同館施設を訪問し、デジタル技術を活用してUAEの建国のあゆみなどを紹介する展示ホールなどを視察しました。

 なお、次回大会は、2025年10月にスペイン・バルセロナで開かれる予定です。


参考情報:
ICA トップページ(英語) [外部サイトへ飛びます]
https://www.ica.org/en

ICA Abu Dhabi 2023 Congress Latest News(アブダビ大会関連ニュース、英語) [外部サイトへ飛びます]
https://www.ica.org/en/ica-abu-dhabi-2023-congress-latest-news



  • 人が沢山集まる開会式会場

    開会式の様子

  • 大きなモニターの前で発表するデジタル推進室長

    八日市谷デジタル推進室長による発表の様子

  • 山谷理事とUAE国立図書館公文書館長

    山谷理事によるUAE国立図書館公文書館長表敬

  • UAE国立図書館公文書館展示ホールの様子

    UAE国立図書館公文書館展示ホールの様子




※ICAアブダビ大会の詳しい内容は、当館の情報誌「アーカイブズ」第91号に掲載する予定です。