「アーキビストの職務基準書」の確定について

国立公文書館
 伊藤一晴

はじめに
 独立行政法人国立公文書館(以下「当館」という。)は、アーキビストの専門性の明確化を図り人材育成の基礎資料とするため、その職務と遂行上必要となる知識・技能(以下「遂行要件」という。)に関する検討を進め、平成30年12月27日に「アーキビストの職務基準書」(以下「基準書」という。)を取りまとめた[1]。
 この取組については、既に関係機関との意見交換など、様々な場で説明してきたが、本稿では改めて、取組の開始から基準書の確定までの経緯を整理するとともに、「アーキビストの職務基準書(平成29年12月版)」(以下「平成29年12月版」という。)に対して寄せられた意見と、それらを踏まえて検討・変更した点について示すこととしたい。

1 検討経緯
 アーキビストの専門性を明らかにしようという取組は、平成26年度から当館内で開始し、まずは平成28年3月18日に「日本におけるアーキビストの職務基準」(以下「素案」という。)として取りまとめた。
 同年4月27日の第13回アーカイブズ関係機関協議会[2]に先立ち、当館よりこの素案を提示し、同会の構成機関に対し意見を求めた。
 当館における検討と並行し、「国立公文書館の機能・施設の在り方等に関する調査検討会議」 [3]は、同年3月31日に取りまとめた報告書[4]において、当館に求められる機能として「人材育成機能」を掲げ、この機能に関する検討の方向性について、以下のとおり示している。

 「我が国全体としての人材の充実の観点では、文書管理に関わる人材をめぐる海外の動向なども踏まえつつ、これからの時代に求められる人材像を明確にするとともに、公的な資格制度を確立することも有効な手段と考えられる。資格制度の検討に当たっては、民間企業も含めたアーカイブズの保存と利用に通じた人材に対する潜在的なニーズの掘り起こし等により、人材の「受け皿」の確保を図る必要がある。」(※強調は筆者による。以下同じ。)

 さらに平成29年2月21日に開催された第53回公文書管理委員会の配布資料「公文書管理法施行5年後見直しの対応案」[5]においても、当取組について下記のとおり言及されている。

  (3)公文書館等の人材育成及び体制強化
  国立公文書館において検討を進めている専門職員の「職務基準書」が人材の育成及び確保につながるよう、有効活
  用方策を検討する必要がある。

 このように基準書の検討は、公文書管理に係る取組の一環として位置づけられ、進められてきた。
 一方、先述した素案に対して寄せられた意見を取りまとめ、平成29年3月16日に開催された第14回アーカイブズ関係機関協議会において紹介するとともに、外部有識者の協力を得て検討を続けていくことを表明した。
 同年5月、当館は「アーキビストの職務基準に関する検討会議」(座長:保坂裕興学習院大学教授、以下「検討会議」という。)を設置し、3回(5月29日、10月19日、12月20日)にわたり会議を開催して平成29年12月版を取りまとめた。

2 作成方法
 平成29年12月版は、当館において評価選別、目録作成、利用審査などの業務を担当する職員20名に対し職務分析を実施し、その結果をもとに作成した。具体的には、各人が担っている職務の内容とその遂行要件について、調査票への記入を求め、さらに個別に面談調査を行い整理した。この職務分析の実施にあたっては、経営学の専門家の協力を得た。
 その後、地方公共団体の公文書館(県立及び区立の公文書館各1館)に対しサンプル調査を実施し、取りまとめた職務の実施有無を確認するとともに、遂行要件について意見を求めた。
 また、「アーキビストの使命」や「アーキビストの倫理と基本姿勢」については、海外の事例等を参考にし、検討会議委員の意見を踏まえて、作成した。

3 内容
 平成29年12月版は、本文及び別表1~3からなる(確定した基準書も同様)。以下にその内容について、簡単に説明したい。
【趣旨】 
 対象とする範囲を「公文書館及びこれに類する機関並びに公文書を作成する機関」と明示した上で、趣旨を記した。
 対象とする範囲として「公文書館及びこれに類する機関」に「公文書を作成する機関」を加えたのは、自治体によっては公文書館機能を有していても、組織や施設としての公文書館が存在しない事例があるためである。
【1 アーキビストの使命】
 海外の事例[6]を参考として案を作り、公文書等の管理に関する法律(以下「公文書管理法」という。)の文言を追加するなどして作成した。
【2 アーキビストの倫理と基本姿勢】
 International Council on Archives(ICA:国際公文書館会議)が採択した「アーキビストの倫理綱領」(Code of Ethics)を示し、さらに当綱領第1条の説明文を参考に当館が作成した文章を追加した。なお、当綱領第1条の説明文は、当綱領の中でも重要だとされる[7]。
【3 アーキビストの職務】
 検討会議委員の意見を踏まえて、職務を(1)評価選別・収集、(2)保存、(3)利用、(4)普及と大別し、その中を9の中分類、23の小分類に分けて整理した。
【4 必要とされる知識・技能】
 アーキビストに必要とされる知識・技能について、主に当館の職務分析の結果を基に、(1)基礎要件、(2)職務と遂行要件、(3)職務全体に係るマネジメント能力、に大別して整理した。
 「(1)基礎要件」は、職務分析の対象者が職務を遂行する上で、概ね共通して必要と回答したものを選定し、作成した。
 「(2)職務と遂行要件」は、職務の内容と、その遂行要件を整理し、当館以外の機関においても通用するよう一般化を図った。各職務の内容と対応する遂行要件は別表2に、各遂行要件の解説を別表3に記している。
 「(3)職務全体に係るマネジメント能力」は、主に検討会議委員と経営学の専門家の意見を踏まえて作成した。
【5 備考】
 基準書は、公文書管理に係る社会規範の変容や情報技術の進展等によって、必要に応じて改訂するものであることを示した。

4 平成29年12月版への意見と確定版への反映
 このようにして取りまとめた平成29年12月版を翌30年1月に公表し、第15回アーカイブズ関係機関協議会(平成30年1月31日開催)の場で説明した上で、同協議会構成機関に対し、同年9月末までの意見提出又は意見交換の実施について協力を求めた。
 この求めに応じる形で、下記のとおり構成機関との意見交換が実施された(企業史料協議会は6月21日付の書面により意見を提出)。

・平成30年2月20日 日本歴史学協会国立公文書館特別委員会(於当館)
・同6月14日 全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(以下「全史料協」という。)総会(於岡山県)
・同6月22日 全史料協近畿部会例会(於京都府)
・同6月30日 日本アーカイブズ学会研究集会(於東京都)
・同8月23日 全史料協関東部会定例研究会(於当館)
・同9月25日 記録管理学会例会(於東京都)

 なお、9月19日には日本学術会議史学委員会歴史資料の保存・管理と公開に関する分科会との意見交換を同会の要請に応じて実施した。
 また、平成30年6月8日に開催された全国公文書館長会議においても、事前にアンケート調査を実施し、その結果を示した(後述)。
 以上、意見交換の場での発言や寄せられた意見は、基準書と直接関わらないものを除き、「基準書全般に対するご意見」と「本文、別表1~3の各記述に対するご意見」に大別し取りまとめ[8]、さらに「基準書全般に対するご意見」は、以下の8つの論点に整理し、検討会議(10月29日、12月19日)において議論した。

論点1)タイトルと対象としている範囲に矛盾がある
論点2)各機関の特性・規模に応じた内容の追加や修正を認める文言が必要
論点3)一人のアーキビストが有するべき要件なのか
論点4)現用文書管理(レコードマネジメント)への関与
論点5)デジタル化・電子文書に関してさらに書き込むべき
論点6)基準書の位置づけを明確にすべき
論点7)防災に関してさらに書き込むべき
論点8)職務の統廃合について

論点1)タイトルと対象としている範囲に矛盾がある
 タイトルが「アーキビストの職務基準書」とされているため、一見すると民間のアーカイブズ機関も含む、アーキビスト全体の基準書であるかのような印象を与えるが、内容は公的機関のアーキビストに限られている、という意見である。同趣旨の意見が様々な場において提起された。
 対応案として、以下二つの選択肢を考えた[9]。

 1)タイトルを変更(例えば「公的」を追加)し、公的機関のアーキビストを主な対象としていることを明確にする
 2)タイトルは変更せず、基準書における「アーキビスト」とは、公的機関のアーキビストを主な対象としているこ
 とを、例言等に明示する

 どちらを選択するかについて、検討会議でも意見が分かれたが、結論として、2)を採用することとした[10]。その理由は、基準書には民間のアーカイブズ機関にも参考となる内容が含まれており、タイトルの段階で完全に民間のアーカイブズ機関を除外してしまうのではなく、アーキビストの活躍の場がさらに拡がるよう、設置目的や業務内容を踏まえて活用していただく余地を残したいと考えたためである[11]。

論点2)各機関の特性・規模に応じた内容の追加や修正を認める文言が必要
 アーカイブズ機関は、所蔵資料や規模もそれぞれ異なるため、所蔵資料の特性や規模等に応じた内容の追加や修正を認める文言が必要ではないか、という意見である。平成30年6月8日に開催した全国公文書館長会議に先立ち実施したアンケート自由意見に多くみられた。
 もとより今回の基準書は、人材育成の基礎資料として作成するものであり、各アーカイブズ機関の業務の在り方を規定するものではない。よって、各アーカイブズ機関が人材の採用・配置や育成に活用するにあたり、所蔵資料の特性や組織の規模等に応じて追加・変更を行うことを妨げるものではないが、この点についての説明が不十分と思われた。このため、例言に「本基準書は、各アーカイブズ機関の業務の在り方を規定するものではありません。その活用に際しては、所蔵資料の特性や組織の規模等に応じた内容の追加・変更を行ってください。」と改めて示すこととした。

論点3)一人のアーキビストが有するべき要件なのか
 基準書に示されている職務について、一人のアーキビストが全ての職務を高いレベルで遂行しなければならないのか、という意見である。この意見も様々な場において提起された。
 確かに基準書には、評価選別・収集から普及まで、アーカイブズ機関において専門職員が担うべきとする職務が一通り示されており、一人のアーキビストが全ての職務を高いレベルで遂行することは困難との印象を受けるかもしれない。実際、大規模・中規模の機関であれば、これらの職務はそれぞれの能力や得意分野に応じて、複数の専門職員に振り分けられているであろう。一方で小規模な機関であれば、場合によっては、一人の専門職員が全ての職務を担当・監督しなければならない状況も想定されうる。
 以上のように、一人の専門職員がカバーすべき職務は機関により幅があるものの、専門職員としてのアーキビストには、職務の遂行が困難な場合、求められる知識・技能を新たに習得するか、組織の内外から調達することが求められよう。つまり、専門職員としてのアーキビストは、職務を遂行する上で必要となる知識・技能が何であるかを把握しておく必要があると整理できる。よって例言に「本基準書に示している職務は、アーキビストが現場で担う可能性があるものです。アーキビストは、職務遂行上基本となる知識・技能について、把握しておくことが望まれます。」と記すこととした。

論点4)現用文書管理(レコードマネジメント)への関与
 アーキビストが現用文書管理(レコードマネジメント)に如何に関与するか、大きく二種類の意見が寄せられた。
 一つは、アーキビストは現用文書管理に積極的に関与すべきとするもの。もう一つは、アーキビストは非現用文書を取り扱うのが本務であり、現行の公文書管理法に照らしても、平成29年12月版の記述は行き過ぎているのではないか、というものである[12]。
 実は平成28年4月の第13回アーカイブズ関係機関協議会にて素案を提示した際、寄せられた主要な意見の一つが、現用文書管理に対し、アーキビストはより積極的に関与すべき、というものであった[13]。このため、改めて作成した平成29年12月版においては、職務の中分類に「指導・助言」を位置づける[14]とともに、「No.3 公文書のレコードスケジュール設定」において「保存期間が満了する前のできる限り早い段階で歴史資料として重要か否かの判断に関与する」とし、現用文書管理に対してアーキビストの関与を強める形で整理した。
 このように平成29年12月版では、公文書管理法等の現行法制を前提にしながらも、アーキビストが現用文書管理に出来うる限り関与する形で整理しているため、これ以上、関与を強めることも現実との乖離が拡がり、一方で関与を弱めることもあるべきとされる姿から遠ざかることを意味する。よって平成29年12月版のまま、特に修正を行わないこととした。

論点5)デジタル化・電子文書に関してさらに書き込むべき
 新規に作成される公文書は、ほぼ全てボーンデジタルであり、今後さらにデジタル化・電子文書への対応が求められるが、基準書は紙媒体の取扱いに重点が置かれており、このままでは不十分という意見である。
 平成29年12月版では、まずは従来の紙文書を中心とする職務の在り方を軸とし、それぞれの職務内容に、必要に応じて電子化について付け加えた。その理由は、職務の電子化を前提に基準書を作成した場合、現行の実務と大きく乖離すると考えられたためである。よってまずは紙文書を基本とし、「5 備考」において、「公文書管理に係る社会規範の変容や情報技術の進展等を踏まえ、必要に応じて改訂する。」との文言を入れ、情報技術の進展によって基準書自体を改訂することを明記していた。
 以上のように、電子化については既に触れてはいたものの、平成29年12月版の基礎要件では「デジタル化・情報システムに関する知識」としていたため、ボーンデジタルの文書に関する知識が抜け落ちている印象を与えるおそれがあった。また、公文書管理委員会においても、平成30年度に入り、電子文書の管理が取り上げられたことを受け、基礎要件の中に「電子文書」を追加し、「デジタル化・電子文書・情報システムに関する知識」とした。

論点6)基準書の位置づけを明確にすべき
 そもそも何のために基準書を作成しているのか、基準書がどのような効力を持つのか、といった基準書の位置づけが不明確であるとの意見である。
 既に論点2でも言及しているとおり、基準書は人材育成の基礎資料として作成するものであり、各アーカイブズ機関の業務の在り方を規定するものではない。この考え方は既に平成29年12月版においても、「『アーキビストの職務基準書』の作成について」に示していたが、今回、改めて例言に示すこととした(具体的な記述は論点2を参照)。

論点7)防災に関してさらに書き込むべき
 災害が頻発する昨今の状況を考慮すると、防災に関する言及が足りないのではないか、との意見もあった。平成29年12月版でも「4 必要とされる知識・技能」「(3)職務全体に係るマネジメント能力」の中で「潜在する他の問題を発見し未然に防止するよう配慮する。また発生した問題に対して解決の道筋を考え、関係者の協力を得ながら解決することができる(例:自然災害や事故発生時の対応策立案)。」と記していた。
 このように既に防災については記していたものの、その記述は「・・・未然に防止するよう配慮する」という若干弱いともとれる表現であった。よって「配慮する」を「対策を行う」に改め、さらに「発生した問題に対して解決の道筋を考え」を「発生した問題への対策を立案」するという表現に改めた。

論点8)職務の統廃合について
 先述した通り、平成29年12月版は当館の職務分析の結果を基に作成したものに過ぎず、一般化を図るにあたり、地方自治体の公文書館2館においてサンプル調査を実施したが、あくまでサンプル調査に過ぎなかった。そこで、平成30年6月8日の全国公文書館長会議において、事前に基準書に関するアンケート調査を行い、その結果を示した。
 アンケート調査は、設問1)基準書に示した23の職務に関して、館職員(常勤・非常勤、職種等は問わない)が実施しているか否か、設問2)諸条件が整った場合、基準書に示した23の職務に関して、専門職員(アーキビスト)が担うべきと思われるか否か、設問3)基準書に示した23の職務以外で専門職員(アーキビスト)が担うべきと考える職務はないか、設問4)基準書全体(本文部分や遂行要件解説を含む)に対する修正意見、設問5)基準書の活用について、という5項目について回答を求めた。
 設問1の結果では、「No.23 海外のアーカイブズ機関及び国際組織等との連携」を実施していると回答した館は6.9%しかなく、設問2においても専門職員が担うべきとする割合が5割を切るなど他の職務と比較しても低いことが分かった(下図参照)。また、設問3の回答として、ボランティア・住民との協働や、学校教育との連携について追加すべきなどの意見が寄せられた。

全国公文書館長会議事前アンケート結果(設問1・2)

全国公文書館長会議事前アンケート結果(設問1・2)

 以上のアンケート結果を踏まえて検討を行い、まず「No.23 海外のアーカイブズ機関及び国際組織等との連携」を、広く関係機関との連携の一つとして捉え、「No.21 関係機関(公文書作成機関、アーカイブズ機関、図書館、博物館等)との連携・支援」と統合し、さらに「地域」との連携を内容に含ませることとした。
 具体的には、「No.21 他のアーカイブズ機関、類縁機関(図書館、博物館等)及び地域等との連携・協力」とし、その内容を「国内外のアーカイブズ機関、類縁機関(図書館、博物館等)、関連団体等とのネットワークを構築するとともに、関係者、学校等との協力関係を結び、公文書等の適切な保存・利用の促進及びその普及を図る。」とした。

 ここまで「基準書全般に対するご意見」として整理した8つの論点と、その対応について述べてきた。「本文、別表1~3の各記述に対するご意見」についても、採否について検討会議委員の意見を聞くなど、漏れなく検討を行い、採用すべきと考えた意見については基準書へ反映させている[15]。

おわりに~今後の取組に向けて~ 
 日本に存在する公文書館・文書館などのアーカイブズ機関は、その規模、所蔵資料、設置理由など、皆それぞれ異なった背景や役割を持っている。よってそこで働く専門職員に要求される能力も、機関によりそれぞれ異なり、統一的な専門職員像を描きにくい。基準書作成の取組は、このような状況であることは承知の上で、まずは一枚の絵を提示してみようという試みである。
 基準書作成の取組は平成30年末をもってひとまず完了したが、今後は、確定した基準書を当館主催の研修へ反映させるとともに、認証制度の創設に向けた検討を進めていくことになる。
 今回の取組に対し、ご協力いただいた皆様にお礼申し上げるとともに、今後の取組についても、是非とも引き続きご協力を賜りたい。


[1]基準書の全文については、当館ウェブサイト(https://www.archives.go.jp/about/report/syokumukijun.html)をご覧いただきたい。なお、同ウェブサイトには、アーキビストの職務基準に関する検討会議における配布資料及び議事概要並びに平成29年12月版も掲載している。
[2]平成30年1月時点の構成機関は、ARMA International東京支部、日本歴史学協会国立公文書館特別委員会、日本アーカイブズ学会、企業史料協議会、記録管理学会、全史料協、日本文書情報マネジメント協会、当館の8機関。
[3]国立公文書館の機能・施設の在り方について、国民や利用者の視点、総合性、効率性等の観点から、幅広く調査検討を行うために内閣府が設置した会議。https://www8.cao.go.jp/chosei/koubun/kentou/index.html(平成31年1月24日閲覧)
[4]国立公文書館の機能・施設の在り方等に関する調査検討会議「国立公文書館の機能・施設の在り方に関する基本構想」平成28年3月31日。
[5]https://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/iinkaisai/2016/20170221/shiryou2-1.pdf(平成31年1月31日閲覧)
[6]オーストラリアのアーキビスト協会(ASA:Australian Society of Archivists)が公表している「The Archivist’s Mission」(https://www.archivists.org.au/learning-publications/the-archival-profession/archivists-mission、平成31年1月24日閲覧)
[7]安藤正人「アーキビスト教育論」(国文学研究資料館史料館編『アーカイブズの科学 上巻』柏書房、平成15年10月30日、369~371頁)。
[8]平成29年12月版に対する意見は、アーキビストの職務基準に関する検討会議(第4回)配布資料(資料2)として取りまとめ、当館ウェブサイト(https://www.archives.go.jp/about/report/syokumukijun.html)で公開している。
[9]内容をアーキビスト全体に普遍化するよう大幅に書き換えることは、当館の職務分析を基とする作成方法自体の見直しを伴うことから事実上困難と判断し、選択肢からは除いた。
[10]例言には「本基準書は、公的な機関におけるアーキビストを主な対象として作成していますが、アーキビストの活躍の場が拡がるよう、様々な機関・団体において、その設置目的や業務内容を踏まえ、参考として活用されることを期待します。」と記した。
[11]「国立公文書館の機能・施設の在り方に関する基本構想」(前掲註4参照)においても、資格制度の検討にあたっては、「民間企業も含めたアーカイブズの保存と利用に通じた人材に対する潜在的なニーズの掘り起こし等により、人材の「受け皿」の確保を図る必要がある。」とされる。
[12]主な意見として、熊本史雄「国立公文書館『アーキビストの職務基準書』の意義と課題」(『地方史研究』第394号、平成30年8月)。
[13]素案ではアーキビストの職務が「収集」から始まっており、現用文書管理へ如何に関与するのか見えづらくなっていた。素案に対する意見については、加藤丈夫「わが国におけるアーキビスト育成の取り組み-職務基準書を用いたアーカイブズ専門職制度の開発-」(『アーカイブズ学研究』27号、平成29年12月)参照。
[14]公文書管理法上は「指導」という用語は存在しないが、内閣総理大臣の要請に基づく実地調査が国立公文書館に認められている(同法第9条第4項)。また歴史公文書等の保存及び利用に関する研修を行うことが、国立公文書館法に定められている(同法第11条第1項第6号)。これらの条文をもとに「指導・助言」という職務(中分類)を置いた。なお「歴史公文書等」とは、後世に残すべき対象となる歴史資料として重要な公文書その他の文書を、現用文書(業務において使用中の文書)、非現用文書(業務における使用が終わった文書)を問わず、包括的に定義されるものである(『改訂 逐条解説 公文書管理法・施行令』ぎょうせい、平成23年7月29日、25頁)。
[15]前掲註8参照。