元国立公文書館長 菊池光興氏のご逝去を悼んで

国立公文書館

 元独立行政法人国立公文書館長(現フェロー、元総務事務次官)菊池光興氏(享年74歳)におかれましては、平成29年10月7日(土)にご逝去されました。ここに謹んでお知らせいたします。

独立行政法人国立公文書館長時代の主なご功績
 平成13年4月1日に国立公文書館長に就任。同日に独立行政法人として新たな形態の行政主体となった国立公文書館をスタートさせるため、関係各所との調整等に尽力し、一つの事業体としての骨格を形成すべく広範多岐にわたる内容の業務に粉骨砕身でこれに当たられた。
 国際公文書館活動において、世界のアーカイブズ先進諸国とともに中心的存在となってその推進に大きく貢献された。ICAにおいて、各国国立公文書館長やアーカイブズ専門家等代表とのハイレベルな協議に参加した。平成17年には、アメリカ・カナダ・フランス・中国・韓国・オーストラリアの各国立公文書館長からの推薦を受けてICA上席副会長に立候補し、選挙で圧倒的な支持を得て選出された。上席副会長として第38回(アラブ首長国連邦)、第39回(オランダ領アンティル(当時))、第40回(カナダ)の3回の円卓会議(CITRA)の議長を務めたほか、ICAの財政問題タスクフォースを主導し、管理運営体制の確立や「国際アーカイブズの日」の制定等に尽力した。また、平成19年にはICAの地域支部である国際公文書館会議東アジア地域支部の議長に就任し、同年第8回EASTICA総会及びセミナーを東京で開催、東アジア地域の中心となって各国公文書館の相互連携など公文書館活動の推進に貢献した。平成20年には、上席副会長としてICAの財政再建に貢献し、在任中に3回のCITRAを成功に導いた功績及び国際的なレベルでのアーカイブズの発展に特別の功労があったこと等により、ICA総会での満場一致によりICAフェローの称号を授与された。
 公文書管理制度に対し、見直しを求める機運が高まる中、平成20年2月政府が設置した公文書管理の在り方等に関する有識者会議にオブザーバーとして参加し、豊富な経験・実績と卓越した識見から積極的に意見を述べたほか、平成21年6月公文書等の管理に関する法律案の国会審議において参考人として意見を述べるなど、本法制定に向けて尽力された。

故菊池光興氏ご略歴
   昭和18年8月生まれ
   昭和42年3月東京大学法学部卒
   昭和42年4月総理府に入府、総務庁長官官房審議官、同人事局長、同長官官房長を経て
   平成11年7月総務事務次官(13年1月退官)
   平成13年4月独立行政法人国立公文書館館長(17年4月及び21年4月に再任)
        21年7月同辞職、顧問(~25年6月)
        25年6月同フェロー(以降)
   この間、
   平成21年1月学習院大学客員教授(~23年12月)
        25年6月日本郵船株式会社監査役(非常勤)を務められる
   国際公文書館会議の活動において、
   平成15年11月国際公文書館会議東アジア支部(EASTICA)副議長(~19年10月)  
        17年4月国際公文書館会議(ICA)副会長、同円卓会議(CITRA)議長(~20年7月)
        19年10月EASTICA議長(~21年7月)
        20年7月ICAフェロー授与
        21年11月国際アーカイブズ開発基金(FIDA)信託理事(~25年3)となる。
   平成26年5月国立公文書館の機能・施設の在り方等に関する調査検討会議オブザーバー(~29年3月)
   平成27年11月5日 瑞宝重光章 受章

お写真

平成16年8月 ウィーンにて、ジョアン・ヴァン・アルバダICA事務総長(当時)と

平成18年5月 ICA執行委員会開催記念講演会レセプションにて