企画展

令和元年度 第3回企画展 「初づくし−初にまつわる江戸時代の行事・風習−」

令和元年度 第3回企画展「初づくし−初にまつわる江戸時代の行事・風習−」
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概要

 お正月の初詣や書き初め、また、お食い初めや初午(はつうま)など、日本人の生活には「初」にまつわる行事・風習が多く存在しています。これらに加えて、江戸時代には謡初(うたいぞめ)などの幕府・朝廷の行事をはじめとして、現代には見られない行事・風習も行われていました。新元号になって「初」の年明けを迎えて開催する本展では、江戸時代の「初」にまつわる資料をご紹介します。

主な展示


諸国図会年中行事大成

諸国図会年中行事大成(しょこくずえねんじゅうぎょうじたいせい)
 京都を中心に全国の神社の神事や祭祀、寺院の法会や開帳さらには年中行事について、図を交えて解説した書です。画像は「元三市街之図(がんざんいちまちのず)」。画像では、門松が飾られた家に新年の挨拶に訪れる人や、羽子板に興じる女性や子どもたちが描かれています。文化3年(1806)年刊行。



都林泉名勝図会

都林泉名勝図会(みやこりんせんめいしょうずえ)
 京都の名所や名園などを、図を交えて解説した案内記です。画像は伏見稲荷社の初午詣を描いたもの。多くの参詣者でにぎわっている様子がうかがえます。初午とは二月最初の午の日のことで、この日、各地の稲荷社で祭礼が行われました。寛政11年(1799)刊行。



御実紀

御実紀(ごじっき)
 通称「徳川実紀」と呼ばれる幕府の正史です。画像は、元和8年(1622)徳川家光の「鎧着初(よろいきぞめ)」(具足始)の場面。鎧着初とは、武士の男子が初めて鎧を身につける儀式です。この時、家光に鎧を着させたのは、豊臣秀吉の家臣で、柴田勝家との戦である賤ヶ岳の戦いで戦功をあげ「賤ヶ岳七本槍」の一人に数えられた加藤嘉明です。資料は紅葉山文庫旧蔵。