春・秋の特別展

平成19年度秋の特別展「漢籍」

平成19年度秋の特別展「漢籍」


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【展示会】


概要

国立公文書館が所蔵する漢籍は、国内だけでなく海外でも高く評価されています。これらの漢籍は、江戸時代の将軍家の紅葉山文庫や湯島の昌平坂学問所に伝えられてきたもので、その由来が明らかなものです。
今回の特別展では、ふだん漢籍にはあまり縁がないと感じている方々にも、その意外な身近さや面白さを改めて認識していただくために、国の重要文化財に指定されている貴重な漢籍などを数多く展示いたします。



主な展示


『全相平話』
元の至治年間に刊行され、中国講史類として現存する最古のものといわれる。当館以外には見られない。重要文化財。



『廬山記』
北宋の陳舜兪が、劉渙とともに廬山を遊覧した後、自らの見聞と劉渙の記録に基づいて記した廬山の案内書。南宋の刊本。重要文化財。



『東坡集』
北宋の文豪、蘇軾の詩文を収めたもの。南宋に刊行された『東坡集』としては、現存する最古の版本。重要文化財。



『潁浜先生大全文集』
北宋の文豪で、蘇軾の弟にあたる蘇轍の詩文集。南宋に刊行された同種本としては、現在、当館以外に見られない。重要文化財。



『豫章先生文集』
北宋の詩人、黄庭堅(号は、山谷)の詩文集。南宋の孝宗・光宗の二代の間に刊行された最初の刊本とされる大字本。重要文化財。



『梅亭先生 四六標準』
南宋の李劉の詩文を門人の羅蓬吉が編集した、南宋の刊本。同版本の存在は、確認されていない。重要文化財。



『朱子語類』
朱子学を大成した南宋の朱子と門人との問答集。南宗の黎靖徳の編。「朝鮮本」とよばれる、朝鮮で刊行されたもの。



『貞観政要』
後世に「貞観の治」と呼ばれる平和な時代を築いた唐の太宗と群臣たちとの政治論集。唐の呉兢の著。慶長5年(1600)、我が国で木活字によって刊行されたもの。