フランスの公文書館制度・組織等の概要

国立公文書館
総務課専門官 木方 幸久

1 はじめに
  本稿は、フランスの国レベルの公文書館制度・組織等の概要をまとめたものであり、基本的には、詳細な先行レポートである小宮山敏和、太田由紀「フランスの公文書館制度及びフランス国立公文書館視察報告」[1]を、知り得る最新のデータ及び情報により改訂することを主眼とした。
  論述については、法令・組織などの事実関係のアップデートと細かな修正を除けば、多くを同レポートに拠っているが、今回、新たに「人的構成」及び「国立公文書館[2]におけるデジタル化の進展状況」を書き加えた。
  前者では、これにより、フランス国立公文書館の専門家が担う業務内容を人的資源の面から捉える手掛かりとなればと考える。また、後者では、ADAMNT[3]と呼ばれるプロジェクトを中心とする国立公文書館のデジタル化の動向がある程度ヴィヴィッドに伝えられるものと期待する。
  フランスは近代的公文書館制度の嚆矢であり、19世紀来の伝統的な歴史研究中心から20世紀には徐々に万人に開かれたアーカイブズとして発展してきたが、特に今日のデジタル化の急激な進展は、利用面における資料アクセス・提供の飛躍的な向上のみならず、例えば、フランス独特の各省のミシヨンによる文書管理のあり方や、ひいてはアーカイブズ業務の中核を担う文化遺産保存官(conservateur du patrimoine)[4]に求められる資質などにも影響を及ぼす可能性がある。
  無論、我が国とフランスのアーカイブズについての理念的・法制的な位置づけには大きな差異がある。しかし、古い歴史と伝統を有し、デジタル化など我が国とも共通する課題に直面するフランスの公文書館制度・組織等の現状について、その一端を伝えることは、日仏比較の視座を通じて、我が国に多くの示唆をもたらすものと考えている。

2 フランスの公文書館制度・組織等
2.1 文化遺産法典
  日本では、2009年7月に公布され2011年4月に施行された「公文書等の管理に関する法律」(平成二十一年法律第六十六号)により、統一的な行政文書の管理ルールや歴史公文書等の保存及び利用のルールが規定されている。一方、フランスにおいてはじめて文書保存の統一的法規が制定されたのは1979年の「アーカイブズ保存に関する1979年1月3日法」(Loi n°79-18 du 3 janvier 1979 sur les archives)であり[5]、現在のフランスにおける文書管理に関する基本法令は、2004年に制定された文化遺産法典(Code du patrimoine)[6]である。これは、図書館、博物館、考古学、歴史的建造物など、分散していた文化遺産に関する諸法令を一元化・一覧化したもので、この法典[7]の第2編「アーカイブズ(Archives)」に1979年法が修正の上、収められている。この第2編において、公文書の収集、保存、選別のほか、私文書の保存や裁判所の視聴覚記録の作成が規定されている[8]。
  なお、文化遺産法典は法律の部(partie législative)と規則の部(partie réglementaire)から構成されており、Lではじまる条文は法律の部の条文を、Rではじまる条文は規則の部の条文であることを示す。
  同法典L第211-1条においてアーカイブズ(archives)とは、「その日付、保存場所、形態及び媒体の如何を問わず、あらゆる自然人又は法人及びあらゆる公的又は私的な機関又は団体によって、その職務上、作成又は取得された、データを含む記録の総体」と定義されている。
公文書(archives publiques)は、L第211-4条において
    1「国、地方公共団体、公施設法人及び公法上のその他の法人の活動により生じた記録。」(前段)[9]
    2「私法に服する者による公共サービスの管理又は公共サービスの任務の遂行により生じた記録」
    3「吏員又は裁判所附属吏の作成した原本及び帳簿並びに民事連帯契約の公証された合意の登録簿」
とされ、私文書(archives privées)はL第211-5条で、これら以外の記録(documents)の総体とされる。

2.2 アーカイブズ制度に関わる行政組織
2.2.1 中央政府
(1) 文化省
  現在、フランスにおいて、アーカイブズ政策全体を担っているのは、文化省(Ministère de la Culture)である。1897年に公教育・美術省(Ministère de l’Instruction publique et des Beaux-Arts)のもとにアーカイブズ管理部門(direction des Archives)が誕生してから1959年に至るまで、教育を担当する省がアーカイブズ管理部門を所管してきた。1959年に国民教育省(Ministère de l’Éducation nationale)から、(旧)文化省(Ministère des Affaires culturelles)が独立発足した際に、アーカイブズ管理部門も(旧)文化省に移管され、それ以来、文化担当の省がアーカイブズ政策を担当している。組織改編により、1997年からは、文化通信省(Ministère de la Culture et de la Communication)となり、2017年からは、文化省(Ministère de la Culture)となっている。大臣はデクレ(政令)によって大統領から任命される。ボルヌ改造内閣(2022年7月~)における現在の文化大臣は、リマ・アブドゥル・マラック氏である。
  文化大臣の職務は、「2022年6月1日付け文化大臣の権限に関するデクレ第2022」号[10]に規定されているが、その主な役割は、「人類、特にフランスが育んだ重要作品へのアクセスの推進」を行うこと、そのために「文化遺産の保護・活用」「芸術創造の推進」「子供・若者への芸術教育」「地域文化政策との連携」「文化・クリエイティブ産業振興」「国際文化活動の推進」を行うことなどとされている。

(2) 文化省 文化遺産・建築総局の組織概要
  文化省は、日本の本省にあたる中央行政機関(administration centrale)、地方出先機関である地方圏文化局(Direction régionale des Affaires culturelles:DRAC)[11]、及び中央と地方出先機関の中間的役割を担う全国管轄部局(Services à compétence nationale:SCN)[12]からなり、さらに公施設法人(Établissements publics:EP)[13]等を有する。
  中央行政機関は、「文化省の中央行政の役割と組織に関する2009年11月11日付デクレ第2009-139314」[14]第1条の規定により、事務総局と、文化遺産・建築総局、芸術創造総局、メディア・文化産業総局及び伝達・地域・文化的民主主義総代表等からなる。これらのうち、文化遺産・建築総局(Direction générale des Patrimoines et de l’Architecture)がアーカイブズ政策に携わる。このデクレ第3条において、文化遺産・建築総局の任務は、「建築、アーカイブズ、博物館、考古学上重要な遺産、歴史的建造物、遺跡及び公園と庭園に関する政策を策定、調整、評価すること」と規定されている。

(3) 文化省 文化遺産・建築総局 フランス省庁間アーカイブズ部(Service interministériel des Archives de France: SIAF)の組織概要
  文化遺産・建築総局の下には、「文化遺産・建築総局の役割と組織に関する2020年12月31日付アレテ(省令)」[15]第1条により建築部、フランス省庁間アーカイブズ部、フランス博物館部、及び文化遺産部の4つの専門部局等が設置されている。アーカイブズ政策を担うのは、フランス省庁間アーカイブズ部である。
  フランス省庁間アーカイブズ部(SIAF)は前述アレテ第3条等により、2課、7室、1センター等で構成されている。(図1)

図1 フランス省庁間アーカイブズ部組織図[16]

  フランス省庁間アーカイブズ部(SIAF)は国防省(現軍事省)、外務省(現ヨーロッパ・外務省)を除く行政機関等のアーカイブズに関する(文化遺産法典により委ねられた)権限を行使する(R第212-1条)。
  SIAFの主な所轄事項は以下のとおりである。
  ・フランス省庁間アーカイブズ委員会(Comité interministériel aux Archives de France:CIAF)[17]の示す方向性の範囲内で、行政、市民、学術、文化の目的のために、公文書の収集、保存、利用、活用に関する国の活動を決定、調整、評価。
  ・歴史的観点から、公益性のある私文書の保護に留意。
  ・国による公文書と保護された私文書の学術・技術的管理を実施。
  ・フランス省庁間アーカイブズ委員会(Commité interministériel aux Archives de France)、アーカイブズ高等評議会(Conseil supérieur des archives)[18]の事務局を担当。
  ・アーカイブズに関わる地方出先機関(services déconcentrés)、全国管轄部局(SCN)及び地方分権組織(services décentralisés)の活動の調整と評価。
  ・財務総務課及び文化遺産・建築総局の関連部局と連携し、中央行政機関及び県公文書館の財政と人事のニーズを評価し、予算配分に関与。

フランス省庁間アーカイブズ部(SIAF)の2課の各職掌は以下のとおりである。

① 収集・保存・電子アーカイブズ課
  ・関連法令の規定を作成。
  ・省庁やその他の公共機関、公共サービスの使命を担う機関、国立公文書館、地域公文書館長と協議し、学術界と連携して、年代、媒体、保存場所にかかわらず、公文書の管理、評価、選択、収集に関する規則と基準を決定。
  ・各省のアーカイブズ・ミシヨン長の活動を調整及び支援。
  ・各省部局とその運用者のアーカイブズ政策及び国立公文書館の収集政策を検証。
  ・国の遺産に関係する他の機関と連携して、国の私文書収集政策、特に取得に関する国家政策を策定、実施、調整。フォン(fond、同出所資料群)を充実させるための政策を支援し、私文書の保護のために文化遺産法典に規定されている措置を実行。
  ・文化財の流通や輸出に関する法律や規制の規定の作成に貢献し、アーカイブズの分野でそれを実施。
  ・私有地にある公文書の返還請求の分野における国の行動を定義し、調整。
  ・アーカイブズの保存と分類、レファレンスシステムの開発、検索補助、デジタル化のための規範と基準を規定。その実施状況を追跡・検証し、技術的な監視を行い、専門知識を提供。
  ・アーカイブズサービスのコンピュータ化に関するアドバイスとモニタリングを実行。
  ・デジタル技術を担当する国の部局と連携し、デジタルアーカイブズの処理と長期保存の方針を決定。その中で、規格やベンチマークを定義し、その実施状況を追跡・検証し、技術的な監視や専門知識を提供。
  ・建物やアーカイブ施設の開発・建設を監視し、これらのプロジェクトに技術的な承認を与え、この分野の専門知識を提供。
  ・第三者機関の認定に関する方針を策定。
② アーカイブズ管理・利用・活用課
  ・アーカイブズの利用に関する政策を作成し、調整。
  ・文化遺産法典で定められた利用の規則の例外措置を規定する。この分野での行政文書アクセス委員会(la commission d’accès aux documents administratifs)、情報技術・自由委員会(la Commission nationale de l’informatique et des libertés)、統計機密保護委員会(le comité du secret statistique)との関係を保持。
  ・利用のうち特に、文書の物理的なセキュリティ、遠隔地での配信、データの再利用に関する規準を策定し、勧告を発出。
  ・国防機密で保護されている情報・媒体の機密解除方針を、関連部門と連携して監視。
  ・伝達・地域・文化的民主主義総代表[19]と連携して、利用政策の策定と実施に参加。
  ・文化遺産・建築総局が主導する研究・科学普及政策の策定と実施に寄与。
  ・データベース、ウェブサイト、ポータルサイトの維持管理を担当。
  ・国家的な利益につながる指針や 研究ツールの開発にも参加。
  ・公共アーカイブズのネットワークで実施されるデジタル化作業を監視。
  ・文化省の国際的な活動にも参加し、アーカイブズ面での協力を実施。
  ・特にアーカイブズスタッフのトレーニングニーズの特定など、アーカイブズ専門職と必要な資格に関する問題に関与。
  ・初期研修と生涯研修の企画に関与。
  ・公共アーカイブズサービスのネットワークから統計情報を収集し、フランスのアーカイブズに関する活動報告書を発行し、文化省の全国管轄部局と連携して、将来に向けた分析を行う。
  ・その運営上の役割として、アーカイブズ分野の法律や規制規定の起草に寄与し、法的な監視を提供。
  ・国立公文書館サービスに割り当てられた資源の評価と編成に参画。
  ・公文書館業務に従事している国家公務員の管理を現地実施。
  ・国立マイクロフィルム・デジタル化センター(centre national du microfilm et de la numérisation: CNMN)は国立公文書館のバックアップのための媒体と他の公文書館から預けられている媒体を保存するためのマイクロ化、デジタル化を保証。

  なお、収集・保存・電子アーカイブズ課の管理・収集・ミシヨン・省庁間調整室(Bureau du contrôle, de la collecte, des missions et de la coordination interministérielle )は、フランス独自の制度であるミシヨネール(missionaire)[20]が所属する組織であり、各省に派遣されたミシヨネールの調整等を行っていると考えられる。ミシヨネールの派遣は、1952年に始まり、1970年から1980年にかけて派遣先省が広がった。
  ミシヨネールとは、文化遺産保存官(conservateur du patrimoine)の資格をもつ者のうち、各省とSIAFの協定により各省に派遣され、派遣先各省において公文書管理全体を学術的・技術的に監督し、文書の収集を保証している者のことである。派遣先機関に置かれるミシヨンの長として、その職員の協力のもと、文書類型ごとの保存期間や満了後の措置を記入した「文書管理表」(tableaux de gestion) の作成業務にあたるほか、文書の廃棄にあたっては許可(visa)を出す。
  現在のミシヨネールは文化遺産法典及び2001年11月2日の首相通達(Circulaire)[21]に定まる公文書管理の規定に沿って活動する。
  ミシヨネールは、下記3組織との関係で協調しながらその役割をこなしている。
  ・国立公文書館:歴史的文書の収集、評価選別、目録記述、国立公文書館への移管及び閲覧提供に関与。
  ・行政機関:文書保存機能を有する組織への協力、文書管理政策及び当該組織の文書の移管と廃棄の指針(文書管理表)の設定、人材養成、中間書庫機能の管理。
  ・文化省:公役務を担う私的組織である公施設法人(EP)、全国管轄部局(SCN)、公益法人(les groupement d’intérêt public:GIP)、及び経営利益団体(les groupements d’intérêt économique: GIE)などの実施機関のアーカイブズの管理に関する学術的・技術的管理。各省の行政と法律の現状に関する情報提供。
  公文書の移管・廃棄の基準については、省ごとに文書の移管と保存の管理が通達によって定められている。
  公文書の移管と廃棄については、L第212-2条に基づいている。廃棄に当たっては、その対象リスト及び条件は、文書を作成又は受領した機関とSIAFの合意によるものとされ、SIAFの承認がなければ廃棄できない。

2.2.2 国立公文書館の体制等
  フランスでは行政機関の公文書は、(7)①~③の公文書館で保存されるものを除き、国立公文書館へ移管される。[22]
(1) 国立公文書館の概要
  フランスの国立公文書館の機能は、次の文書を収集、選別、分類、保存、閲覧提供、及び活用することとされている(R第212-8条)。
  ・中央行政機関及び憲法上定められた諸権限の文書。
  ・国の公施設法人及びその他の公法上の法人と私法上の組織でフランス全土に権限が及んでいる、あるいは及んでいた公役務の管理や役割を担うものの文書。
  ・その他の文書で有償又は無償で、一時的又は最終的に寄贈される又は寄贈されたもの、寄託される又は寄託されたもの。
なお、国立公文書館は次の3組織から構成される(カッコ内の日本語は所在地)。
  ・国立公文書館(パリ、ピエールフィット=シュル=セーヌ)(Archives nationales site de Paris et Pierrefitte-sur-Seine:AN)
  ・国立海外文書館(エクサンプロバンス)(Archives nationales d’outre-mer:ANOM)
  ・国立労働文書館(ルーベ)(Archives nationales du monde du travail:ANMT)
  これらの国立公文書館3組織(AN, ANOM, ANMT)は、2006年12月24日のアレテ[23]の規定により、2007年1月よりそれぞれ全国管轄部局(SCN)になっている。

(2) 国立公文書館(パリ館、ピエールフィット=シュル=セーヌ館)の組織及び所掌事務
  この2館は所在が異なるが、組織図上は、2館で1つの組織になっている(図2)。専門4局の所管業務は2021年4月9日の省令(アレテ)[24]第2条~第5条で以下のように規定されている。
① フォン局(Direction des fonds)
他の局と連携し、以下の業務に責任を負う。
  ・各省庁のアーカイブズ担当やミシヨンと連携して、国立公文書館業務の責任下にある、紙とデジタル双方の公文書及び私文書の収集、選別、研究、分類、目録の作成に当たる。
  ・研究者へのオリエンテーション、資料の伝達、文化的・学術的活用、シンポジウム等の企画準備への参加。
  ・高等教育機関や研究機関、他の文化・遺産機関とのパートナーシップの枠組みの中での研究プロジェクトへの参加。
  ・その責任下にあるフォンについての科学的専門知識の向上及び伝達。
② 利用局(Direction des publics)
他の局と連携し、以下の業務に責任を負う。
  ・閲覧室と図書館の運営
  ・現場と遠隔での、利用者へのオリエンテーションと文書の提供
  ・国立公文書館が所管する歴史遺産として保存されている所蔵品、財産、空間の活用
  ・すべての公衆、特に若者や文化的提供から遠く離れた人々のために、アーカイブズ文書の市民的・歴史的価値に対する関心を高めるための活動
  ・芸術的・文化的教育施策の実施
  ・常設展、企画展のプロデュース、芸術的連携
  ・イベントのコーディネート
  ・その権限分野における科学技術的専門知識及びノウハウの向上及び伝達
③ デジタル化・保存局(La direction du numérique et de la conservation)
他の局と連携し、以下の業務に責任を負う。
  ・デジタル分野での未来予測と研究
  ・大規模なデジタルプロジェクトの管理
  ・情報システムのプロジェクト管理、通信インフラの管理、ユーザー支援
  ・媒体の如何を問わず、アーカイブズデータ及びメタデータの管理及び永続化
  ・保存と普及を目的としたアーカイブズのデジタル化キャンペーンの制作
  ・アーカイブズの予防的・修復的保存、資金の投入と管理、リスク防止計画
  ・その権限分野における科学技術的専門知識及びノウハウの向上及び伝達
④ 管理・財務局( Direction administrative et financière)
他の局と連携し、以下の業務に責任を負う。
  ・人的資源管理
  ・予算および会計管理
  ・マネジメント・コントロール
  ・法律問題
  ・公共調達
  ・資産管理
  ・ロジスティックス
  ・警備と保安
  ・フォンテーヌブロー拠点の再編


図2 国立文書館のの組織図[25]

(3) 国立公文書館(AN)の所蔵収集対象
  2013年1月にピエールフィット=シュル=セーヌ館が建設され、3館体制になったことで、それぞれの収集対象が明確に分けられ、
  ・パリ館:フランス革命以前(アンシャン・レジーム)の文書及びパリ市公証人の文書。
  ・フォンテーヌブロー館:特別な資料群(1930年以降の帰化文書、1960年以降の公務員の文書、乗り物の許可文書など)、視聴覚資料、建築家私文書。
  ・ピエールフィット=シュル=セーヌ館:フォンテーヌブローに特別に保存されたフォンを除く、フランス革命以降今日に至るまでの公文書及びすべての時代の私文書。(出典:ANのHP)
  とされたが、フォンテーヌブロー館は2022年に廃止され、所蔵資料はピエールフィット=シュル=セーヌ館へ移管された。[26]

(4) 国立海外文書館(ANOM)の所掌事務[27]
  ・海外フランス植民地の公文書の収集、選別、分類、目録作成、保存、修復、提供及び活用。
  ・海外フランス植民地に関する私文書の収集、寄贈等による受入、選別、目録作成、保存、修復、提供及び活用。
  ・活動推進に必要な情報の収集、研究成果の公表。国内外の研究者との提携。

(5) 国立労働文書館(ANMT)の所掌事務[28]
  ・企業や経済社会団体により作成された、労働に関する公文書と国家の性格を有する私文書の収集、寄贈等による受入、選別、分類、目録作成、保存、修復、提供及び活用。
  ・保護が強く要請される地域特性を有する文書についてのミッションを地方公文書館群と連携して実行。
  ・活動推進に必要な情報の収集、研究成果の公表、国内外の研究者との提携。

(6) 国立公文書館等の職員数及び人的構成
① 職員数 
2021年現在の職員数は以下のとおりである。[29][30]

表1

② 人的構成
国立公文書館の2021年12月31日現在の官吏職団(corps)[31]等別の人的構成は、以下のとおりである。[32][33]

 官吏職団(corps)等  人数  カテゴリー
 Adjoints techniques d’accueil ,de surveillance et de magasinage
(受入・管理・保管技術補助員)
 140  C
 Agents contractuels(契約職員)  90  ―
 Chargés d’études documentaires(資料研究担当官)  60  A
 Conservateurs du patrimoine(文化遺産保存官)  50  A
 Technicians des services culturels(文化事業技術職)  24  B
 Technicians d’art(専門技能技術職)  21  B
 Adjoints administratifs(行政補助員)  19  C
 Secrétaires de documentations(資料編成担当官)  19  B
 Attachés d’administration de l’Etat(国家行政官)  14  A
 Secrétaires administratifs(行政事務官)  12  B
 Chefs de travaux d’art(専門技能業務長)  6  A
 Adjoints techniques des administrations de l’Etat(国家行政技術補助員)  5  C
 Ingénieurs des services culturels et du patorimoine(文化・遺産業務技官)  5  A
 Adninistrateur civil(上級行政官)  1  A
 Techniciens de recherche(研究技術職)  1  B
 Conservateurs des bibliothèques(図書館保存官)  1  A
 Bibliothécaires(司書)  1  A
 Apprentis(実習生)  1  ―
 計  470  

表2

  官吏職団(corps)は、そこに属する職員に付与された職務の性質及び採用試験受験に必要とされる教育認定資格のレベルに応じて、カテゴリーAからカテゴリーCのいずれかに属する。[34]
  国立公文書館職員が属する官吏職団のカテゴリーは、表2のとおりである。
  また、分野別の職員分布は、技術(Technique)205名、学術(Scientifique)168名、行政(Administrative)62名、専門技能(Métier d’art)35名となっている。[35]

(7) 文化省管轄以外の行政機関等の公文書館
  ヨーロッパ・外務省、軍事省、経済・財務・産業・デジタル主権省については、独自の公文書館を有している。
① ヨーロッパ・外務省(アーカイブズ局(Direction des archives)管轄)
  ・外務省公文書館(Archives diplomatiques, La Courneuve)
  ・ナント外交文書センター(Centre des Archives diplomatiques de Nantes: CADN)
② 軍事省(記憶遺産アーカイブズ局(Direction de la mémoire, du patrimoine et des archives:DMPA)管轄)
  ・国防史編纂部(Service historique de la Défense : SHD)全国9施設
  ・国防省通信視聴覚成果物保護公社(L’Établissement de communication et de production audiovisuelle de la Défense : ECPAD)
③ 経済・財務・産業・デジタル主権省
  ・サヴィニー=ル=タンプル経済・財政アーカイブズ・センター(Le Centre des Archives, Savigny-le-temple)
  また、フランスの立法府を構成する国民議会(Assemblée nationale)[36]及び元老院(Sénat)[37]は、それぞれのアーカイブズサービスを有している。
  なお、文化遺産法典では、議会に関する立法資料は、立法府の機能に関する1958年11月17日オルドナンス58-1100号によって規定されるとするが(L第211-4条後段)、2008年の文化遺産法典改正時に三権分立の原則が強調され、同オルドナンスの7条の2に各議会はそれぞれの文書の所有者であり、文書の保存と活用に責任を有し、文書の収集、保存、分類、閲覧提供を決定する、という条文が加えられた(2008年7月15日法2008-69632)。それ以降は、議会の文書は国立公文書館には移管されていない。
  司法府の国務院も独自のアーカイブズサービスを持ち、文書の保存及び閲覧を行っている。

(8) 国立公文書館におけるデジタル化の進展状況~ADAMANTプロジェクトを中心として~
  フランス行政がデジタルデータの作成を始めて以来、国立公文書館はそれらを時系列で管理する手段を持った。こうして1981年、電子アーカイブズの完全性を維持し、無期限で理解しやすい状態を保つという、急速な技術革新に対応するための大きな挑戦として、コンスタンスサービスが誕生した。同サービスは、アーカイブズを作成したシステムの外からアクセスできるようにし、いつでも誰でも利用できるようにすることを原則とした。同サービスによるアーカイブズは、統計調査から徐々に対象を拡大していった[28]。しかし、2000年代初頭のネットワークの発達により、行政によるデジタル情報の生産はより多様に、より大量に、より豊富になってきた。また、多くの場合、電子行政の発展により、電子データが紙などの従来の形式による生産に取って代わる傾向にある。そのため、デジタルアーカイブズの課題はまったく新しい次元のものとなり、それによって国立公文書館の業務やツールの体系的変化が必要となった。
  このような状況の中、国の行政機関や事業者が作成したものであれ、民間人が作成したものであれ、長期的な国家的利益を有する文書やデータの保存とアクセスを改善し、国立公文書館が提供する公共サービスの継続性を確保するために、2015年にADAMANTプロジェクトが開始された。
  同プロジェクトは、2015年から2021年の間、文化省の協力のもと実施された。
  このデジタル・トランジション・プロジェクトの目的は、SIAFと各省庁のアーカイブズサービスとのパートナーシップにより 、デジタルデータの預け入れから発信までに、アーカイブズチェーンのツール、手順、組織を適応させることである。
  同プロジェクトでは、以下の観点からデジタルアーカイブズの管理システム全体の進化に取り組んできた。
  ・国立公文書館のアーカイブズ情報システム(SIA)に省庁間ソフトウェアVITAM[39]が統合されることによるソフトウェアツールの充実
  ・アーカイブズの特にセキュリティにより保護された保管を保証する、物理的なインフラストラクチャ
  ・人的組織と取扱手法
そして、具体的な進捗としては、
① 2018年に、ボーンデジタルデータのサポートと管理に焦点を当て、主に省庁のアーカイブズの収集と寄託を担当するミシヨンのスタッフを対象としたデジタルモジュールの最初のバージョンが提供された。
② 2019年、2020年にわたって展開されたバージョンでは、主に国立公文書館職員を対象とした新たな管理機能が導入された。
③ 最後に、ユーザーの期待に応え、デジタルアーカイブズへのアクセスを簡素化することに主眼を置いた。この目標は2021年に達成され、「ADAMANT」アーカイブズの普及プロトタイプがインターネット上で公開された[40](1609ファイル[41])。
  今後、同プロジェクトの成果をさらに発展させ、最終的には、VITAMソフトウェアをベースに、国立公文書館のアーカイブズ情報システム(SIA)に統合された電子アーカイブズモジュールを開発し、安全性の高いデータ・ホスティング・インフラストラクチャを提供することが目標とされている。
  なお、ADAMANTプロジェクトとは別に、国立公文書館では、2000年から、従来のマイクロフィルムに代わり、毎年のデジタル化プログラムにより、所蔵アーカイブズのデジタル化が進められている。
  現在、バーチャル目録室(Salle des inventaires virtuelle)[42]において、800万以上のデジタル画像が、ネット上で公開されている。

〔注〕
[1] 『アーカイブズ』第52号(国立公文書館、2012年、28-41頁)https://www.archives.go.jp/publication/archives/wp-content/uploads/2015/03/acv_52_p28.pdf
[2] 広義の「国立公文書館」という場合、狭義の「国立公文書館」 (パリ、ピエールフィット=シュル=セーヌ)(Archives nationales: AN)に加えて、国立海外文書館(エクサンプロバンス)(Archives nationales d’outre-mer: ANOM)及び国立労働文書館(ルーベ)(Archives nationales du monde du travail: ANMT)を含めるが、本稿で「国立公文書館」と記述するときは、狭義のそれを指す。
[3] Accès et Diffusion des Archives et des Métadonnées des Archives Nationales dans le Temps、内容については、https://www.archives-nationales.culture.gouv.fr/fr/web/guest/archiver-les-donnees-numeriques-adamant等参照
[4] コンセルヴァトゥール(conservateur)は、フランスの官吏職団(Corps)の名称。アーカイブズ分野のコンセルヴァトゥール(conservateur du patrimoine)は、国立文化遺産学院(Institut national du patrimoine:INS)アーカイブズ専門課程を修了した者に与えられる資格。ほとんどが、グランド・ゼコール(Grandes Écoles)である国立古文書学校(École nationale des chartes:ENC)の出身者とされる。コンセルヴァトゥールについては、Décret n°2013-788 du 28 août 2013に詳しい。
[5] フランスの文書管理の体制の歴史はフランス革命にさかのぼり、1794年革命歴2年メシドール7日の法律(Loi du 7 messidor an II)により国家文書保管庫(dépôt central des Archives nationales)が設置されている。
[6] Ordonnance n°2004-178 du 20 février 2004 relative à la partie legislative du code du patrimoineにより制定。なお、フランスの法令はレジフランスのhttp://www.legifrance.gouv.frでアクセス可能。
[7] 『フランス法律用語辞典第3版』(中村紘一・新倉修・今関源成 監訳、三省堂、2012年)によると、「法典」とは「同一の法分野をなす事項を集めて整序した法律の集合体(例えば、民法典、商法典、刑法典、民事手続法典)」を意味する。
[8] 文化遺産法典について紹介、研究したものに、佐藤毅彦 福井千枝「フランスの文書保存法制と地方図書館―文化遺産法典への編入とその経緯」『外国の立法』232号(国立国会図書館、2007年、34-50頁)、永野晴康「フランス文書保存制度の諸相-2008年法律による公文書保護制度を中心に-」『城西情報科学研究』20巻1号(城西大学情報科学研究センター、2010年、19-31頁)がある。
[9] 後段については、後述。
[10] Décret n°2022-844 du 1er juin 2022 relatif aux attributions du ministre de la culture
[11] DRACは1977年に発足した組織で、共和国の地方行政に関する1992年2月6日付法(Loi no°92-125 du 6 février 1992 relative à l’administration territoriale de la République)により、州(region)または県(départment)の知事(préfet)のもとで、政府の文化政策を執行する。
[12] SCNは中央行政と地方行政の中間的役割を担う。地方行政とは異なり国の性格を強く持ったサービスに関わり、中央サービスと同様の機能を有するが、その性格は実践的なもの。省の管轄下のもと、ある程度の独立性を有する。
[13] 文化協力公施設法人の設立に関する2002年1月4日付法(Loi no°2002-6 du 4 janvier 2002 relative à la création d’établissements publics de coopération culturelle)によって創設されたEP。運営の柔軟さと厳密な管理を両立させることを目的とした、法律上の法人格を有する施設。公役務(service public)の管理を行う行政的公施設法人(établissements publics à caractère administratif)や、公益性を有する商業的又は工業的活動を行う商工業的公施設法人(établissements publics à caractère industriel et commercial)の2つのタイプがある。管理と予算執行などにおいてある程度の独立性を有する。
[14] Décret n°2009-1393 du 11 novembre 2009 relatif aux missions et à l’organisation de l’administration centrale du ministère de la culture
[15] Arrêté du 31 décembre 2020 relatif aux missions et à l’organisation de la direction générale des patrimoines et de l’architecture
[16] SERVICE INTERMINISTERIEL DES ARCHIVES DE FRANCE組織図(2021年10月版)より作成
https://francearchives.gouv.fr/file/9a480c69b465f8f616abff287f27d84a00e9cb11/2021_octobre_organigramme_SIAF.pdf
[17] Décret n°2012-479 du 12 avril 2012 relatif au délégué interministériel aux Archives de France et au comité interministériel aux Archives de Franceにより2012年に設置。同デクレによると、文化遺産・建築総局長がフランス省庁間アーカイブズ代表 (Délégué interministériel aux Archives de   France:DIAF)となり、この代表が主宰するフランス省庁間アーカイブズ委員会は、最低1年に2度会合をもつ。委員会は、文化担当省のアーカイブズ担当長、外務省 のアーカイブズ局長、国防省記憶遺産アーカイブズ長、経済財務産業省の環境サービス長、地方公共団体の長、デジタル化・国家情報・コミュニケーション省庁間長、及び公共改革省庁間長から構成される。フランス省庁間アーカイブズ代表は、委員会に諮問して、 (1)アーカイブズの現代化及び実施管理のための共通戦略の枠組みを構築し、首相の承認を得、また、(2)アーカイブズ施設、ボーンデジタル公文書の保存、アーカイブズのデジタル化、デジタル文書等のオンライン化など、国家行政機関間、あるいは国家と他の行政機関間の調整の対象となる活動状況を、首相に提出する。
[18] アーカイブズ高等評議会は、公文書及び私文書に関する文化担当大臣の政策や、私文書や歴史文書の評価選別について諮問を受ける。また、文化遺産総局長(現文化遺産・建築総局長)のすべての質問に意見を述べ、SIAFの活動報告書を監査する。(Arrêté du 21 janvier 1988 portant création du Conseil supérieur des archives)
[19] https://www.culture.gouv.fr/Nous-connaitre/Organisation-du-ministere/Delegation-generale-a-la-transmission-aux-territoires-et-a-la-democratie-culturelle
[20] ミシヨネール(missionnaire)は通称であり、正式には、conservateur en missionとされる。
[21] Circulaire du 2 nombre 2001 relative à la gestion des archives dans les services et établissements public de l’Etat
[22] ブリュノ・ガラン(大沼太兵衛訳)『アーカイブズ-記録の保存・管理の歴史と実践』(白水社、2021年、66-.67頁)。また、ARCHIEVES NATIONALE‘STRATEGIE 2021-2025’6頁に「国立公文書館は、法律上 の国家的な能力を持つサービスで、・・・・各省庁 (ただし、軍事省、ヨーロッパ・外務省、財務省を除く)・・・・に由来する公文書、・・・を収集、分類、目録化、保存、加工、公開、活用することを使命とする。」との記述がある。
https://www.archives-nationales.culture.gouv.fr/documents/10157/11403/Strat%C3%A9gie+2021-2025+des+Archives+nationales/
[23] Arrêté du 24 décembre 2006 érigeant le service Archives nationales en service à compétence nationale,
Arrêté du 24 décembre 2006 érigeant le service Archives nationales d’outre-mer en service à compétence nationale,
Arrêté du 24 décembre 2006 érigeant le service Archives nationales du monde du travail en service à compétence nationale
[24] Arrêté du 9 avril 2021 relatif à l’organisation du service à competence nationales Archives nationales
[25] Organigramme des Archives nationales, septembre 2022より作成
https://www.archives-nationales.culture.gouv.fr/documents/10157/278821/organigramme-septembre-2022.pdf/
[26] ARCHIVES NATIONALES‘RAPPORT D‘ACTIVITÉ 2021’ 7頁
[27] 前注23のアレテより
[28] 前注23のアレテより
[29] 国立公文書館については、ARCHIVES NATIONALES‘RAPPORT D‘ACTIVITÉ 2021’ 42頁
[30] 国立海外文書館、国立労働文書館については、Activité des services d’archives en France – Données-clés 2010-2021 (FranceArchives) https://francearchives.fr/fr/article/37978
[31] 中村紘一・新倉修・今関源成監訳、前掲(前注7)『フランス法律用語辞典第3版』によれば、「Corps(de fonctionnaires):官吏職団 」とは「同一の身分規程に服し、同一の職階へ昇進する資格を有する官吏の総体」を意味する。
[32] 表2については、ARCHIVES NATIONALES‘RAPPORT D‘ACTIVITÉ 2021’43頁のCorps等別分布と、Corpsのカテゴリー別一覧(https://vocationservicepublic.fr/grilles-indiciaires/fonction-publique-detat/)をもとに作成した。
[33] 表2の各Corps等の邦訳は、すべて仮訳である。
[34] このうち、カテゴリーAは、一部の職種を除きbac(バカロレア:大学入学資格)+3(学士)を受験要件とする上級管理職等、カテゴリーBは、bacないしbac+2を受験要件とする中級管理職等、カテゴリーCは、特定の職について専門職業資格(BEP:職業教育修了証/CAP:職業適性証書)を受験要件とする執行職である。
https://vocationservicepublic.fr/les-categories-a-b-et-c/#:~:text=Les%20cat%C3%A9gories%20A%2C%20B%20et%20C%20correspondent%20aux,p%C3%A9rieures%20%C3%A0%20celles
%20des%20agents%20de%20cat%C3%A9gorie%20
参照
[35] ARCHIVES NATIONALES‘RAPPORT D‘ACTIVITÉ 2021’ 42頁
[36] https://www.senat.fr/adresse/annuaire-direction-de-la-bibliotheque-et-des-archives.html
[37] https://www2.assemblee-nationale.fr/decouvrir-l-assemblee/role-et-pouvoirs-de-l-assemblee-nationale/l-administration-de-l-assemblee-nationale/le-service-de-la-bibliotheque-et-des-archives/ii.-la-division-des-archives
[38] コンスタンスプログラムにより、2019年には、2億デジタルファイル(57TB)を超える豊かな遺産が構成された。今後、VITAM、ADAMANTといった新しい文脈の中で、データの持続可能性に向けて、当該ファイルの(アーカイブズ情報システム(SIA)への)移行を完了する必要があるとされる。(ARCHIVES NATIONALES ARCHIEVES NATIONALE‘STRATEGIE 2021-2025’ 27頁等参照)
[39] VITAM(Valeurs immatérielles transmises aux archives pour mémoire)とは、国家のアーカイブズ保存に責任を負う3つの省(ヨーロッパ・外務省、文化省、軍事省)が、デジタルアーカイブズの問題について、そのライフサイクルに沿って共に答えるためのプログラムであり、DINUM(国家デジタル・情報・コミュニケーション省庁間局)とCIAF(フランス省庁間アーカイブズ委員会)との舵取りのもと、2015年に始動した。同プログラムの目標は、①非常に大量の完結、中間、さらには生成中のデジタルアーカイブズの管理、保存、安全な閲覧を可能にするフリーソフトウェアソリューション「VITAM」を実現すること、②ソフトウェアソリューション「VITAM」を利用したアーカイブズ・プラットフォームを、各省のプロジェクト(Sapir(ヨーロッパ・外務省)、Adamant(文化省/国立公文書館)、Archipel(軍事省))を通じて、3つの省で導入すること等である。このうち、①については、2020年にソフトウェアソリューションV4がリリースされた。http://www.programmevitam.fr/pages/presentation/参照。
[40] https://www.adamant.archives-nationales.culture.gouv.fr
[41] 2023年1月30日アクセス時点
[42] https://www.siv.archives-nationales.culture.gouv.fr/siv/cms/content/display.action?uuid=Accueil1RootUuid&onglet=1
(※URLの最終アクセス日は2023年1月30日)