デジタルの波~個人的感想~

国立公文書館
理事 中田 昌和

  私事で恐縮だが、先日、個人PCのメールボックスを整理せざるをえないこととなった。2001年(!)のころからの古いメールまで手付かずで残っていて、タイトルや送信元、必要に応じて中身や添付ファイルなどまで確認しながら、廃棄と保存を振り分けていって、容量の削減を行うわけである。
  友人知人とのやりとり、近年話題の「サブスクリプション」という言葉もあまり意識しないころから購読しているメルマガ、時々のニュース、(当時の)新商品情報などなど、いろいろな過去のメールをチェックしながら、図らずもそのころの自分のありようなどを振り返る機会となった。もちろん購読している新聞の記事でも毎日すべて読んでいるわけではないのだが、受け取った多くのメールが「未読」のステータスとなっていて、手付かずで放置されていることを改めて認識し、日々の整理の必要性を反省させられたところである。
  この整理の作業はまだ完了できてはいないのだが、1日に受信するメールの本数などは、2000年代の後半から急に増えてきていると感じられた。もちろん、生活にこれらが溶け込むことで日々のよしなしごとのメールも増えているわけだが、それ以外に世の中のニュースや商品・サービスなどの各種情報提供のメールなどの増加が特に著しいように感じられる。
  その中でも、例えば、政治のニュース関連のメールなどでは、新たに知られるようになった人名・地名、新たな法令や制度に関する用語、そのもととなる近年の課題や事件に関する用語など、言葉もどんどん増えているように思われる。また、これも個人的事情によるのだろうが、ある経済系メディアのアドレスからは、経済関係のこと以外に、急激にデジタルのさまざまな分野(ハードウェア、ソフトウェア、セキュリティ、サービス、ECなど)ごとに多くのニュース、アナウンス、広告などが寄せられるようになるなどにより、特にデジタル系の言葉は、カタカナ、アルファベットの略号、専門的な技術用語などがどんどん増えているように感じる。
  さらに、近年では、SNSを始めメール以外のデジタル・コミュニケーションも増えてきており、その中ではさらに新しい用語・概念が飛び交っている。最先端のものなど理解が及ばないものも多いだろうが、それなりに未来に向かって現代を生きる者として、生活や仕事を円滑・快適にこなしていくためにも、動画やWebinarなども積極的に活用し、自分でしっかり追いついていく努力を続けていかねばならないと改めて思った次第である。