新しい生活様式

国立公文書館
理事 中田 昌和

 新型コロナウイルス感染の拡大のなか、不幸にしてお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方にお悔やみ申し上げます。また、今まさに、感染し、病気と戦っておられる方、ご家族の方にはお見舞い申し上げます。さらに、感染リスクの高いなか、医療関係に従事する方に感謝するとともに、社会のため、ご自身のため一生懸命働く方々に敬意を表したいと思います。
 さて、厚生労働省から、新しい生活様式の実践例が公表されました。ウェブサイトによると、「新型コロナウイルス感染症専門家会議からの提言を踏まえ、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を具体的にイメージいただけるよう、今後、日常生活の中で取り入れていただきたい実践例をお示しいたします。」とあります(令和2年5月25日時点)。
 「そんなことまで」という向きもいらっしゃるとは思いますが、マスクの着用、手洗いの徹底、人との間隔などの基本的なことから、買い物、公共交通機関の利用、食事、娯楽、スポーツ等、さらには、冠婚葬祭などの親族行事まで、日常生活の各場面別の生活様式の具体的な例が示されています。その中には、働き方の新しいスタイルとして、テレワークや時差通勤なども記されています。
 公衆衛生については、医療や福祉を始め多くの取組がなされ、これまで知られている感染症の被害はかなり抑えられるようになってきたのではないでしょうか。それでも、その間隙を突くような性格の新たな感染症がでてきて、今回世界中で広がって大きな被害をもたらしたということかもしれません。
 そうなると、やはり一人ひとりの暮らしも、これまでどおりという訳にはいかず、大きく変わっていかなければならないこともあるでしょう。生活のありようを見直し、共助や公助も含めて、より暮らしやすい社会のあり方を模索していく大きなきっかけにしたいところです。新型コロナウイルス感染症については、行政文書の管理に関するガイドラインに規定される「歴史的緊急事態」に指定されましたが、そういう記録をしっかり作成・保存し、今後の対策の充実に活かしていかねばならないと思います。
 新型コロナウイルスの感染防止のための臨時閉館に伴い、ご不便をおかけしておりますが、開館に向け、準備を進めておりますので、引き続きご協力をお願いいたします。