令和3年度全国公文書館長会議報告


 国立公文書館は、令和3年6月10日(木)、東京都内において、令和3年度全国公文書館長会議を開催しました。なお、開催にあたっては、新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえ、感染防止対策を講じるとともに、移動制限のある状況を考慮して、オンライン形式での出席を可能とする形式で開催しました。
 この会議は、公文書管理制度の円滑な運用及び歴史公文書等の適切な保存・利用を図るため、国及び地方公共団体が設置する公文書館等の長の参集を求め、全国の公文書館等が当面する諸問題についての協議を行うとともに、相互の緊密な連絡を図ることを目的として、平成元年から開催しているものです。
 今年度は、「アーキビスト認証について」及び「防災対策―水害対策の事前準備―」というテーマで開催し、国及び地方公共団体が設置する公文書館、公文書館設置を検討している地方公共団体等から73機関140名(会場:40名、オンライン:100名)が参加しました。

 令和3年4月1日付けで就任しました鎌田薫国立公文書館長による主催者挨拶の後、伊藤一晴上席公文書専門官より、「アーキビスト認証について」と題して、令和2年度アーキビスト認証の結果と令和3年度の実施について説明しました。

  • 館長鎌田

    鎌田国立公文書館長による主催者挨拶

  • 会場の様子

    会場に集まった全国の公文書館長と関係者の方々


  • オンライン参加の全国の公文書館長と関係者の方々

    オンライン参加の全国の公文書館長と関係者の方々


 その後、「防災対策―水害対策の事前準備―」と題し、梅原康嗣統括公文書専門官の進行の下、コメンテーターとして青木睦国文学研究資料館准教授にも加わっていただき、全国の公文書館長等とで意見交換を行いました。
 はじめに、東日本大震災から10年の取組について、広島県立文書館と広島大学文書館、鳥取県立公文書館からの事例報告がありました。
 意見交換は、事前にお願いしたハザードマップの確認結果をもとに、コメンテーターや参加館の取組等をお聞きする形で進められました。参加者からは、地域における災害の教訓、災害時の類縁機関や自治体との連携、防災対策のためのチェックシートについて意見が出され、今後につながる議論がなされました。

  • 青木准教授

    青木睦国文学研究資料館准教授によるコメント


館長施設見学・実務担当者意見交換会
 10日(木)の午後には、公文書館等の長による施設見学と、公文書館等の実務担当者による意見交換会が行われました。施設見学では、東京都公文書館を訪ね、概要説明を受けた後、書庫等の施設を見学させていただきました。
 オンラインで開催した実務担当者意見交換会では、「新型コロナウイルス感染症への各館の対応」というテーマで、参加者全体の間で事例等を紹介した後、参加した46名が6グループに分かれて、議論を進めました。活発な議論のなか、各機関における取組や実務課題等についての意見が交換されました。