国立公文書館は、令和元年6月6日(木)、東京都内において「国際アーカイブズ週間」記念講演会を開催しました。
従来、「国際アーカイブズの日」記念講演会は、平成19年11月に、国際公文書館会議(ICA)(1948年、ユネスコの支援を得て設立)が設立60周年を記念して、設立日の6月9日を「国際アーカイブズの日」と定め、
加盟各国に対し記念行事等の開催を呼びかけたことに呼応し、平成20年度から開催してきました。なお、今年度、ICAは6月3日から9日までを「国際アーカイブズ週間」と定めており、記念講演会の名称もそこに倣っております。
はじめに、三谷太一郎東京大学名誉教授より、「立法資料的観点から見た公文書―『枢密院会議議事録』について」と題して、過去に作成された公文書が現代の立法資料になり得るものであり、
そのために適切に保存・利用されることの意義について、先生ご自身のご経験を踏まえてご講演いただきました。
続いて、波多野澄雄国立公文書館アジア歴史資料センター長より、「デジタルアーカイヴの進化と歴史研究の行方」と題して、同センターの取組を含む近現代史研究の動向についてご講演いただきました。
最後に、川島真東京大学大学院教授より、「東アジアの公文書館をとりまく状況?保存・公開・デジタル化の日中台比較?」と題して、日本、中国、台湾のアーカイブズを取り巻く状況について、東アジア3国を比較する観点から、ご講演いただきました。
今回の講演会には、国及び地方公共団体が設置する公文書館等、アーカイブズ関係機関等や一般の方々など、昨年を上回る170名の参加があり、盛況裡に講演会は幕を閉じました。