漂流民の救助と海上警固

オランダ人の漂着

26 阿蘭陀人漂着之趣御届申上候書付

請求番号多026733
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 肥前国中通島の石司いしづか(現在の長崎県南松浦郡新上五島町)の海岸に異国人1名が流れ着きました。また4名の遺体と船荷物と思われる品々も同様に漂着しました。
 現地の役人が生存者を救助しますが、言葉も筆談も通じません。しかしどうやらオランダ人であるようでした。現地役人が苦労して聞き出したことには、7月21日、海上で暴風に遭い、15名の乗組員が次々と流されてしまったとのことでした。
 現地役人からこの報告を受けた肥前福江藩は、ただちに海上警固のための番船を派遣しました。また乗組員の遺体については、塩詰めにしたようです。福江藩はこれらの事を長崎奉行所へ報告しています。

漂流民の送還

朝鮮人の漂着

27 漂着候朝鮮人送届候処従礼槽参議之返翰致到来候ニ付口上書等
差上申旨一札

請求番号多019816
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 日本に漂着した漂流民は長崎経由で送還されますが、漂流民が朝鮮人だった場合、長崎へ送られた後、対馬藩が引き取り、送還していました。また送還の経費は全て対馬藩が負担していました。
 展示資料は、安政5年(1858)、同6年に漂着した朝鮮人が、無事送還された事に対する礼曹れいそう(朝鮮国の儀礼や外交を司った行政機関)の役人からの書状が到来したことを伝える披露状です。宗氏はこの披露状に漂流民の口書くちがき、漂流船の積み荷の書付を添えて江戸へ送付しています。