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近藤重蔵(こんどうじゅうぞう)(1771-1829)
近藤重蔵の著書は、古典籍や外交文書の研究から、水利、貨幣の考証、北方関係資料まで多岐にわたります。
展示資料の『荷蘭馬具図』は、西欧やトルコで用いられている馬具の図を写して巻物に仕立てた異色の資料。寛政5年(1793)にオランダで刊行された「西洋諸国馬図」をさる大名から借りて模写した重蔵は、これに長崎で写した図を加えて、同9年(1797)、27歳の年に『荷蘭馬具図』を完成させました。跋文(あとがき)から、重蔵がこの図を、わが国の軍事用馬具の改善に役立てようとしていたことがうかがえます。
展示資料は、重蔵の蔵書印「正斎蔵」が捺された重蔵自筆の蔵書で、全1軸。
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