飢饉に備える

民間備荒録(みんかんびこうろく)

請求番号182-0271

建部清庵たけべせいあん著。明和8年(1771)刊。飢饉への対処方法、草木の調理法、解毒法などを記した書。一関いちのせき藩の藩医であった清庵は、宝暦5年(1755)に東北地方で起こった大飢饉の惨状を目の当たりにし、飢饉への対策として本書を執筆しました。一関藩に本書を献上したところ、藩では早速写本を作成し、村々に配布したといわれています。建部清庵は江戸時代中期の医者。江戸へ出て蘭方医学を学んだ後、一関藩の藩医となりました。全2冊。農商務省旧蔵。

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画像は、大薊(おにあざみ)、小薊(こあざみ)、苦芺(さわあざみ〈ヒメアザミ〉)、紅藍苗(くれないのなえ〈ベニバナ〉)、繁縷(はこべ)、蒲公英(たんぽぽ)、黄瓜菜(たびらこ)、虎杖(いたどり)、地膚(ははきくさ〈ホウキギ〉)について記した部分(冊次2)。それぞれの植物について、毒の有無や食べ方が記されています。

備荒草木図(びこうそうもくず)

請求番号197-0008

建部清庵たけべせいあん著。天保4年(1833)刊。飢饉の際に食糧となる植物を紹介した書。『民間備荒録』(建部清庵著)の付録の図集として作成されました。個々の植物について図を掲載し、文字を読めない者でも植物を探し出せるよう配慮されています。明和8年(1771)に草稿が完成するも出版に至らず、のちに清庵の子孫らによって校訂が行われ、天保4年に刊行されました。全2冊。内務省旧蔵。

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画像は、1. 稀薟(めなもみ)・繁縷(はこべ)(冊次1)、2. 啇陸(やまごぼう)・鳳仙花(ほうせんか)(冊次2)。植物の挿絵を中央に描き、余白に調理法が簡潔に記されています。