植物図譜の編纂
本草図譜(ほんぞうずふ)
請求番号196-0195
岩崎灌園編。約2000種の草木を収録した植物図譜。著者は本書編纂の動機として、内容的に優れた本草書であっても、図は簡略な場合が多く、それに不満を感じていたことを述べています。文政11年(1828)に草稿が完成し、2年後の文政13年に一部が木版手彩で刊行されました。しかし、刊行したのはこの時だけで、のちには原本の模写を希望者に有料で配布しました。岩崎灌園(1786~1842)は江戸時代後期の本草学者。晩年の小野蘭山に短期間師事しています。下級の幕臣(御家人)でしたが、その学識を認められ、『古今要覧稿』の編纂事業にも関わりました。『武江産物誌』、『草木育種』など多数の著作があります。資料は文政13年の刊本です。全4冊。昌平坂学問所旧蔵。

画像は桔梗(キキョウ)(冊次1)。図に付された解説によれば、キキョウは数種類あり、花の色が碧色、白花、淡黄色があり、また、紫白雑色、重弁、千弁、扇子桔梗、紋桔梗等もあるとのこと。本図では、それら数種類の桔梗が描き分けられています。
関連リンク(国立公文書館デジタルアーカイブが開きます。)
本草図譜(ほんぞうずふ)
請求番号196-0190
岩崎灌園編。資料は、灌園自筆写本です。全72冊。内務省旧蔵。