会期 |
令和3年7月20日(火)〜 ※土・日・祝日は休館 ※本展はパネル展示のみとなります。原本の展示はございません。 ※期間中、展示室内の密接を避けるため、入室制限を行うことがあります。 |
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開館時間 | 平日 | 午前9時15分〜午後5時00分 |
会場 | 国立公文書館 つくば分館 | |
入場料 | 無料 |
――食べることも、文学だ。
毎日のありふれた食卓はそのほとんどが記録に残ることはありません。しかし、それらがあえて和歌や物語に書き留められるときには、ただ空腹を満たすための行為としてだけではなく、 読む者の心を動かす特別な意味を持つことになります。
本展では、古典文学に描かれた「食」の多彩な姿を、当館所蔵の貴重な資料からご紹介します。
日本書紀(にほんしょき)
日本最初の勅撰の歴史書で、養老4年(720)に舎人親王(とねりしんのう)らによって編纂されました。保食神(うけもちのかみ)という神の死体から穀物や家畜が生まれたという神話が載っています。
当資料は慶長年間(1596〜1615)に書写されたもので、完本としては現存最古。紅葉山文庫旧蔵。
徒然草(つれづれぐさ)
鎌倉時代後期〜南北朝時代の歌人である兼好法師(けんこうほうし)の随筆。「筑紫(つくし)になにがしの押領使(おうりょうし)」で始まる章段には、薬効を期待して大根を食べ続ける武士の不思議な話が載っています。
当資料は慶長18年(1613)に出版されたもので、和学講談所旧蔵。
今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)
平安時代後期に成立した説話集で、貴族から庶民まで幅広い階層の人々の逸話が描かれています。芥川龍之介の短編小説『芋粥(いもがゆ)』の下敷きとなった、芋粥を腹いっぱい食べようとする侍の説話が載っています。
当資料は江戸時代前期に書写されたと考えられる林家旧蔵書で、内容・本文に信頼性が高く善本として知られています。