国立公文書館では、例年、夏休み期間中に児童・生徒を対象とした見学ツアーを開催しており、クイズ形式で当館の業務を紹介するコーナーや資料の原本にふれる閲覧体験など、通常のバックヤードツアーでは体験できない特別なプログラムに好評をいただいています。
令和7年度は、お申込み多数につき開催日を追加し、親子向けツアーを計4回(7月28日〈月〉午前・午後、8月6日〈水〉午前・午後)実施しました。中高生向けツアーは2回(8月4日〈月〉午前・午後) 開催し、あわせて84名の皆様にご参加いただきました。
親子向けツアーでは、クイズコーナーに始まり、修復室の見学や閲覧体験、変体仮名を用いたオリジナル缶バッジ作りを行い、最後に鎌田館長から参加証明書をお渡ししました。
閲覧体験では、色鮮やかな生き物が描かれた江戸時代の彩色図譜「華鳥譜」「魚類譜」、戦時中に日本の戦意喪失を目的として米軍が飛行機から散布した宣伝ビラ「米軍撒布の伝単」など、作成年代や形状の異なる計16点の資料をご覧いただきました。
参加者からは、「授業で学んだ資料を実際に見られて嬉しい。」「さし絵がおもしろかったのでもっと見たい。」「缶バッジづくりが面白かった。」などの感想が寄せられました。
中高生向けツアーでは、通常のバックヤードツアーでは入ることができない書庫内を見学しました。このほか修復室の見学や閲覧体験に加え、くずし字辞典を参考にオリジナルの「花押」(かおう:図案化された署名)を作り、缶バッジに仕立てるワークショップを行いました。
閲覧体験では、徳川家康の花押が記された「飯田半兵衛宛徳川家康書状」や、二・二六事件の戒厳令施行に関する閣議書「一定ノ地域ニ戒厳令中必要ノ規定ヲ適用ス・(緊急勅令)」など、歴史学習と結びつく資料も含め計17点をご紹介しました。
参加者からは、「公文書を通して生々しい歴史を実感できた。」「昔の人が残した記録をこんなにきれいな状態で見られるのは、さまざまな努力と工夫のおかげだと学ぶことができた。」「高校生でも閲覧室を利用できると知って驚いた。ぜひ利用したい。」などの声が寄せられました。
【閲覧体験(親子ツアー)】

【鎌田館長から参加賞授与(親子ツアー)】

【書庫見学(中高生ツアー)】

【オリジナル花押づくり(中高生ツアー)】
