第15回EASTICA総会及びセミナー参加報告


 国際公文書館会議東アジア地域支部(EASTICA)第15回総会及びセミナーが、EASTICAと韓国国家記録院の共催により、2021年11月22日(月)から23日(火)にかけて、韓国テジョン及びオンラインによるハイブリッド形式で開催されました。 新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受けて2020年に予定されていたセミナーの開催が1年延期され、総会とともに開催されました。


 11月22日(月)の理事会では、1)EASTICAの財政、2)香港大学と共催している既卒者向けアーカイブズ学講座(通称PCAS)及び2019年に開始した既卒者向けアーキビスト専門教育のディプロマコース(通称PDAS)の実施状況、 3)2020年にリニューアルしたEASTICAウェブサイトに関する報告等がありました。また、翌23日(火)の総会では、 1)これまで事務局長として4年間の任期を務めた韓国のイ・サンミン氏の再任、2)現会計官である韓国国家記録院チェ・ジヒ院長の後任として同院のイム・シニョン氏が就任することが正式に決まりました。
>>EASTICAウェブサイトはコチラ(英語)


 セミナーでは「アーカイブズ、復旧及び保存のストラテジー:非デジタル及びデジタル記録の修復(Archives, Recovery and Preservation Strategy : Restoration of non-digital and digital records)」をテーマとした3つのセッションが設けられ、 EASTICA加盟国及び英国から招かれた講師により、以下の講演とパネルディスカッションが行われました。


基調講演

「デジタル・アーカイビング:どこに力を注ぐべきか」
ジョン・シェリダン(英国国立公文書館)

パネルディスカッション

「韓国国家記録院における修復戦略」クァク・ジョン(韓国国家記録院)
(コメント)アンジェラ・リュウ(香港政府档案処)

「新疆ウイグル自治区から出土した唐時代の資料の保存及び修復」張美芳(中国人民大学)
(コメント)キム・ヒョンジン(韓国国民大学校)


 11月23日(火)に行われた国・地域別報告では、韓国、マカオ、日本、中国、香港、モンゴルが、紙資料及び電子記録の保存や修復について、法や政策、実践に関わる幅広い現在の取組状況を報告しました。 当館からは、公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号)を踏まえ、当館が所蔵する特定歴史公文書等の保存に関する取組を中心に報告しました。


国・地域別報告

日本 寺澤正直(国立公文書館) »本文(英語)(PDF 298KB)


 本会はEASTICA初の試みとして、オンライン形式を含む開催となりました。当館ではより多くの国内関係者の参加に向けた取組として、参加者に対する日本語の同時通訳を導入しました。