令和元年度全国公文書館長会議報告


 国立公文書館は、令和元年6月7日(金)、東京都内において、令和元年度全国公文書館長会議を開催しました。この会議は、公文書管理制度の円滑な運用及び歴史公文書等の適切な保存・利用を図るため、国及び地方公共団体が設置する公文書館等の長の参集を求め、 全国の公文書館等が当面する諸問題についての協議を行うとともに、相互の緊密な連絡を図ることを目的として、平成元年から開催しているものです。平成20年からは、「国際アーカイブズの日」記念講演会等と併せて開催しています。。
 今年度は、「アーキビスト認証制度創設に向けた課題と展望」というテーマで開催し、国及び地方公共団体が設置する公文書館、公文書館設置を検討している地方公共団体等から152名が参加しました。


  • 加藤館長挨拶

    加藤国立公文書館長による主催者挨拶・基調報告

  • 会場の様子

    会場に集まった全国の公文書館長と関係者の方々


 加藤丈夫国立公文書館長による主催者挨拶の後、高埜利彦学習院大学名誉教授による「日本におけるアーキビスト養成の歩み」と題した講演が行われました。 続いて、伊藤一晴上席公文書専門官より、「アーキビストの認証制度の検討状況」と題して、「アーキビストの職務基準書」確定の経緯と国立公文書館に設置したアーキビスト認証準備委員会における検討状況について説明しました。


  • 高埜学習院大学名誉教授による講演"

    高埜学習院大学名誉教授による講演

  • パネラー

    中央から加藤国立公文書館長、高埜学習院大学名誉教授、大友国文学研究資料館教授
    (コーディネーター 左端:梅原首席公文書専門官)


 その後、「アーキビスト認証制度創設に向けた課題と展望」と題し、コメンテーターとして加藤館長、高埜教授のほか、大友一雄国文学研究資料館教授にも加わっていただき、全国の公文書館長等とで意見交換を行いました。
 意見交換は、事前にお願いしたアンケートの結果をもとに、コメンテーターや参加者の意見をお聞きする形で進められました。参加者からは、地域における人材採用や養成、アーキビスト認証制度の在り方について意見が出され、活発な議論がなされました。
 会議の成果は、「アーキビスト認証制度創設に取り組む基本的な考え方」(令和元年6月全国公文書館長会議)として、とりまとめられました。


館長施設見学・実務担当者意見交換会
 7日(金)の午後には、公文書館等の長による施設見学と、公文書館等の実務担当者による意見交換会が行われました。施設見学では、東京大学総合図書館を訪ね、概要説明を受けた後、書庫等の施設を見学させていただきました。
 55名が参加した実務担当者意見交換会では、「公文書館等の防災対策・災害対応について」というテーマで、参加者全体の間で事例等を紹介した後、8グループに分かれて、議論を進めました。活発な議論のなか、各機関における取組や実務課題等についての意見が交換されました。