国立公文書館研究紀要『北の丸』第49号の全文を掲載しました。


『北の丸』では、当館が所蔵する資料をより多くの方に利用していただくことを目指し、当館が実施する各種調査・研究の成果を紹介しています。

「公正取引委員会移管文書の特徴について 」は、組織概要及び文書管理規則の変遷をたどり、同委員会から国立公文書館へ移管された文書の特徴を分析しています。その結果、(1)毎年度の移管の実績が実質的なものになってきたのは、移管基準の改正が行われた平成17年度受入れ以降であり、(2)公文書管理法の施行が組織成立時の昭和20年代の文書移管に結びつくとともに、(3)法令関係文書も増加してきていることを明らかにしています。

「公文書館における学習支援活動について 」ではは、これからの国立公文書館の活動において歴史的な公文書等を用いた学習をどのように支援していくかを探るため、地方自治体の公文書館の実践を整理し、分析しました。

「国立公文書館における個人情報に関する利用審査について 」は、利用請求があった文書に個人情報が記載されていた場合に、審査担当者はどのように「時の経過」を考慮して利用に供することの可否を判断しているのか、当館における利用制限の事例等を示しつつ報告しています。

「弘化四年『言贈帳』について 」は、将軍が日常生活を送る「奥」(おく)と妻子が生活する「大奥」(おおおく)の雑用を務める奥坊主(おくぼうず)御小道具役(おこどうぐやく)の業務日誌である『言贈帳』の簡略な解説です。併せて全文の翻刻を館のウェブサイトに掲載しています。
全文翻刻:
http://www.archives.go.jp/publication/kita/pdf/iiokurityou_zenbun.pdf

「当館所蔵の『絵入り本』解題(5) 」は、貴重な古写本の陰に隠れて手つかずの状態となっていた「絵入り本」(本文に挿絵や図版などが添えられた書籍)について、書誌情報や内容などを解説したもので、第45号から発表しているものです。

「中古文学資料解題(1) 」は、平安時代に成立した文学作品(中古文学)及び後世に成立したその注釈書類の書誌情報や解説を記したものです。
「当館所蔵 林羅山旧蔵書(漢籍)解題(3) 」は、当館が所蔵する漢籍のうち、林羅山(はやし・らざん)が所蔵していた書物を調査したもので、第47号から発表しているものです。林羅山の蔵書は「明暦の大火」によって焼失してしまいましたが、幸いにも二人の息子に分与していた書籍は焼失を免れ、現在では437タイトル4,385冊の漢籍が当館に収蔵されています。

(平成29年3月9日)

【リンク】
 『北の丸』第49号(平成29年3月)へ
 http://www.archives.go.jp/about/publication/kita/049.html