17. ほくぶんかい

 『北夷分界余話』は、「北夷」(カラフト・現在のサハリン)の地誌・民俗誌です。文化5年(1808)にカラフト探索を行った間宮林蔵(1775〜1844、一説に1780〜)の口述を、松前奉行所同心であったむらかみていすけ(1780〜1846)がまとめました。全10帖の記述と絵図96図を用いて、カラフトアイヌの地理・住民・生業・交易・民俗(冠婚葬祭)などを詳しく紹介し、季節による住居の違いや犬との生活、狩猟の方法の実態などが明らかになりました。本書は『東韃地方紀行』とともに、文化8年(1811)に幕府へと献上されたものです。紅葉山文庫旧蔵、全10帖。
 なお、「北夷分界余話」、「東韃地方紀行」、「北蝦夷島地図」の3点が「間宮林蔵北蝦夷等見聞記録」として、平成3年(1991)、国の重要文化財に指定されました。

【請求番号 特094-0003】

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