12. ひろかたずいひつ

 『弘賢随筆』は、屋代弘賢(1758〜1841、幕臣で能書家・故実家・蔵書家)の手もとにあった雑稿を取りまとめ、全60冊に綴ったものです。その原稿の大部分が、毎月15日、弘賢の知友が持ち寄った文章を披露する会合「三五会」に提出された原稿です。
 資料は、栗原信充(1794〜1870、幕臣の故実家)が持ち寄ったもので、「穿胸国」(胸に穴がある人々が住む国)について考察を加え、『山海経』「かんきょう国」(胸に穴がある人々が住む国)の記述と、『三才図会』「穿胸国」の記述を引用しています。また、絵心のある信充は、あわせて別紙に『山海経』「貫匈国」の住人の挿し絵を模写しています。江戸の人々は、「貫匈国」や「穿胸国」を、実在の国だと考えたのでしょうか。

【請求番号 特095-0004】

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