13. 李卓吾先生西さいゆう

 『西遊記』は、唐の高僧である玄奘三蔵が、孫悟空・猪八戒・沙悟浄を供に従え、さまざまな苦難を乗り越え、天竺に仏教の経典を取りに行くという、日本でもお馴染みの物語です。
 この物語に登場する孫悟空・猪八戒・沙悟浄や、一行の旅を邪魔する妖怪たちは想像上の存在で、玄奘三蔵(602〜664)だけが実在の人物です。現実世界の玄奘三蔵は、629年に天竺(現在のインド)へと旅立ち、645年に経典を中国に持ち帰り、法相宗の開祖となりました。
 玄奘三蔵は、天竺への旅で見聞したことを『大唐西域記』にまとめましたが、この見聞記と中国の民衆が思い描いていた異国のイメージとが融合し、『西遊記』という物語が出来あがったと考えられます。
 『李卓吾先生批評西遊記』は、明時代の長編小説『西遊記』を挿し絵入りで出版したもので、明時代(1368〜1661)に刊行されたものです。紅葉山文庫旧蔵、全10冊。

【請求番号 附002-0009】

写真をクリックすると拡大画像が表示されます
ページのトップへ戻る