国際アーカイブズ週間について

                                                      独立行政法人国立公文書館 統括公文書専門官室


国際公文書館会議(International Council on Archives、ICA)では、毎年6月9日を含む週を「国際アーカイブズ週間」と位置づけています。これは、2008年、ICAが設立60周年を迎えた年に、その発足日を記念して定められたものです。以降、毎年、この日を中心に、記録を保存し利用を図ることの大切さを呼びかける各種イベントが、世界各地のアーカイブズ機関によって開催されてきました。当館でも毎年、「『国際アーカイブズの日』記念講演会」を開催してきました。

今年は、新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、世界的に、人々が一堂に会するイベントの開催が難しい状況となっています。そこで、ICAでは、世界中のアーキビストやアーカイブズの利用者等が国を超えて交流できるよう、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)等を利用した取組みを呼びかけているところ、今回、以下、ICAのwebサイト*の日本語訳を作成しましたので、ご紹介します(翻訳にあたって、一部、当館で編集しています)。


*英語版ICAページ:”International Archives Week:8-14 June 2020”



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

国際アーカイブズ週間:2020年6月8日〜14日

今年の「国際アーカイブズ週間」のテーマは、「知識社会に力を与える(Empowering Knowledge Societies)」です。

21世紀におけるアーカイブズ資料、記録、そしてデータは、アーキビストの仕事や、何によって信頼できる証拠が成り立つのか、また我々アーキビストがどのように所蔵資料を保護するのかといった様々な点で、人々が私たちに対して期待することを変えていっています。私たち専門職(データ・情報管理者、文書管理者、アーキビスト)は、市民や知識社会にもたらす利益を確実にするための機会を提供することができます。では、「知識社会に力を与える」とは、どのようなことを意味するのでしょうか。

「知識社会に力を与える」とは、人工知能(AI)やデジタルデータの長期保存、そして先端技術を語ることです。

人工知能や先端技術は、私たちがどう業務を行うかを瞬く間に変えてしまいますが、アーカイブズや記録に関わる取組みにおけるそうしたテクノロジーの強みと弱点を、両方理解しておく必要があります。テクノロジーは何が得意なのでしょうか。我々をどう手助けしてくれるのでしょうか。私たちはそれらによる新しい実務のやり方に、どう取り組んでいくのでしょうか。そして、その倫理的な意味あいには、どのようなものがあるのでしょうか。

これらテクノロジーはまた、どのように情報を保存し、利用に供するかに影響を与えます。しかし、これを議論するだけでなく、持続的かつ実用的で、さらに費用対効果のある方法で、どのように記録やデータを保存していくかを継続的に問い続ける必要があるのです。

「知識社会に力を与える」とは、持続可能な知識を語ることです。

持続可能な知識は、持続可能な発展や、国連の持続可能な発展目標のような開発イニシアチブの到達点にとって、基礎となるものです。これはまた、アーカイブズ関係機関が行っていることの先を見据え、我々が行っていることの社会や環境へのインパクトを考えるということでもあります。

「知識社会に力を与える」とは、信頼と証拠を語ることです。

「もう一つの真実(オルタナティブ・ファクト)」や「偽のニュース(フェイク・ニュース)」、誤った情報やサイバーセキュリティへの脅威があふれる時代、信頼性のある証拠(記録、情報、データ)はかつてなく重要なものとなっています。このことにおける私たちの役割とは何でしょうか。誰が私たちの味方なのでしょうか。このインターネット・ガバナンスの領域における記録やアーカイブズの専門職の役割とは何でしょうか。

信頼やエビデンスは、利用者が必要とするものに手を差し伸べること、必要とするものを理解することをも意味します。そうすることで、我々が情報について何をし、どのように情報を集め、保存し、提供しているかについて、利用者が信頼できるようになるのです。私たちは、どのように利用者に力を与えるのでしょうか。そして利用者はどのように、私たちに力を与えてくれるのでしょうか。

21世紀という知識社会において、アーキビストや情報専門職が果たす重要な役割について、我々はどのようによりよく説明し、主張していくのでしょうか。紙媒体からデジタルへと移行するに従い、みなさんは知識社会にどのように力を与えていきますか。さぁ、私たちの仕事を人々がどう考えているかに、挑戦してみましょう!

2020年6月8日(月)から14日(日)、世界が経験している衛生上の危機にかんがみ、国際アーカイブズ週間は各国の対策を尊重して実施されます。



国際アーカイブズ週間を成功させるために



取組1:SNSキャンペーン「#AnArchiveIs」に参加しましょう

アーカイブズとは何でしょうか。6月9日の「国際アーカイブズの日」を記念して、「#AnArchiveIs」のハッシュタグをつけ、あなたにとっての「アーカイブズとは」についての意見を寄せてください。最も素晴らしいもの(テキストや写真)は、2021年のキャンペーンのプロモーション・バナーとして採用いたします。


取組2:オンライン・イベントを開催しましょう

「国際アーカイブズ週間」という世界的イベントを利用して、アーカイブズの役割を喚起し、皆さんの経験や重要な仕事を、関連する機関(移管元機関、省庁、企業など)と共有しましょう。そして、世界の記憶の保存のためには、アーキビストやレコードマネジャーがいかに欠かせない存在かと、「知識社会に力を与える」日々の仕事を知らせましょう。

国際アーカイブズ週間6月8日〜14日の期間中、以下の日程で各テーマによる投稿を募ります。投稿の際は、#IAW2020のハッシュタグをお付けください。

6月8日(月):開会のあいさつ
6月9日(火):持続可能な発展目標(SDGs)と#AnArchiveIs
6月10日(水):デジタルデータの長期保存(デジタル保存連合 Digital Preservation Coalitionとの共催)
6月11日(木):証拠と信頼
6月12日(金):気候変動と文化遺産(国際記念物遺跡会議ICOMOS との共催)
6月13日(土):オープン・スタンダードとオープン・ツール
6月14日(日):専門職の未来(ICA New Professionalsとの共催)


準備にあたって・・・

1) 6月8日〜14日の日程をおさえましょう。
2) 昨年の国際アーカイブズ週間ではどのようなイベントが実施されたかを「2019年双方向マップ」でチェックし、世界の仲間からヒントを得ましょう。
3)「知識社会に力を与える」をテーマに、オンライン展示やディスカッション、発表、オンライン講座やラジオショー、コンテストなど、皆さんのプロジェクトにマッチしたイベントを選択しましょう。
4) 皆さんのイベントを手助けするため、ICAでは、ポスター等のカスタマイズ可能なツールキットを作成しましたので、自由にご利用ください。


poster
ポスター
postcard
ポストカード

  ※ 画像をクリックした後、右クリックで画像のダウンロードをお願いします。
  ※ より大きな画像サイズが必要な方は、kokusai(at)archives.go.jp (*(at)を@に書き換える)までご連絡ください。
  ※ 本テンプレートは、ICA事務局より、日本語版の作成につき許可を得たものです。
  ※ 英語のオリジナル版をご使用になる場合は、コチラ のページからお願いします。


5) 実施するイベントについて、「国際アーカイブズ週間2020デジタルマップ(IAW2020 Digital Map)」に登録しましょう。
6) 国際アーカイブズ週間中は、ソーシャルメディア上で、#IAW2020 のハッシュタグで投稿されたイベントを追いかけましょう。


取組3:ICAブログに記事を投稿しましょう

皆さんの仕事や、仕事へのビジョン、そして「知識社会に力を与える」ためのあなたの役割などについて、ICAブログに記事を書いてください。21世紀は私たちに新しい課題をもたらしています。人工知能やデジタルデータの長期保存、先端記述や持続可能な知識、信頼とエビデンスなど、これらの問題に対し、皆さんはどのような抱負をもって応えるでしょうか。さぁ、私たちの仕事を人々がどう考えているかに、挑戦してみましょう!知識社会におけるアーカイブズとはどのようなものかを世界に伝えるため、私たちに力を貸してください。

アーカイブズと専門職に関するビジョンをお知らせください。ICAブログで公開しますので、執筆いただいた原稿をお送りください。


取組4:皆さんの機関を、デジタルマップ「アーカイブズはすぐそばに(Archives are accessible)」に登録しましょう

アーカイブズや記録に関わる仕事の重要性は、この困難に時期にあって、過小評価されることがあってはなりません。アーカイブズやアーキビスト、レコードマネジャーなしには、企業や市民社会、政府、その他の国際機関は、運営していけません。正確な情報やデータなしに、どのように決定を下すのでしょうか。そして、どのように、保健医療サービスを提供し、経済を動かし続けるのでしょうか。アーカイブズと記録化にかかる仕事は、企業や国家の業務を促進する機能を継続させるものであり、だからこそ「知識社会に力を与える」のです。

今こそ、全ての人に、私たちのコミュニティが何を提供できるかを伝えましょう。なぜ文書やアーカイブズがそれほど重要であるかを説明し、皆さんの機関を、「デジタルマップ」に登録しましょう。