国立公文書館研究紀要『北の丸』第51号を掲載しました。


『北の丸』では、当館が所蔵する資料をより多くの方に利用していただくことを目指し、所蔵資料に関する調査・研究の成果を紹介しています。

「国立公文書館所蔵『越南亡国史』をめぐって」 は、日本の国立公文書館とベトナムの国家記録アーカイブズ局の共同事業「日本とベトナム〜きざまれた交流の軌跡をたどる〜」で紹介された『越南亡国史』の成立過程、体裁、内容について述べるとともに、同書が持つ意義について論じております。

「KDDI旧蔵文書の分析」 は、平成26年にKDDI株式会社から国立公文書館へ寄贈されたKDDI旧蔵文書を対象として、文書の作成取得部局、年代、内容、地域を分析することで、KDDI旧蔵文書の構造を提示しております。

「裁判文書の公開と利用―国立公文書館への移管と公文書管理法施行の意義―」 文書について、裁判所保管時における現用段階と、国立公文書館への移管後の非現用段階の公開のあり方の違いに注目し、比較検討することで、裁判文書が国立公文書館に移管された意義について論じております。

「書物奉行と紅葉山文庫(1) 鈴木白藤」 は、徳川幕府将軍の文庫(蔵書庫)である紅葉山文庫を管理する書物奉行の事蹟を調査したもので、第51号では鈴木白藤(すずき・はくとう 1767―1851)が取り上げられております。参考資料として、当館所蔵の『楓山貴重書目』の翻刻全文をウェブサイトに掲載しております。
全文翻刻:
https://www.archives.go.jp/publication/kita/pdf/momijiyama_zenbun.pdf

「中古文学資料解題(3)」 は、平安時代に成立した文学作品(中古文学)および後世に成立したその注釈書類の書誌情報や解説を記したもので、第49号から発表しているものです。

(平成31年3月)

【リンク】
 『北の丸』第51号(平成31年3月)へ
 https://www.archives.go.jp/about/publication/kita/051.html