36. 元延実録
元和2年(1616)から延宝元年(1673)までの聞に起きた事件を拾い、その概略を記した雑記。明暦の大火について書かれたくだりでは、江戸の堀や川に沈んで(あるいは浮かんで)いた死体や、芝浦・品川浦・上総浦ほか周辺の海岸に漂着した死体の数なども記されています。これらはいずれも炎を避けて水中に身を投じた人や、死後水に流された人たちの屍でした。そのうち江戸の堀や川の死体は、鳶や烏がついばんでいるのを見かねた幕府が町奉行に引き上げさせ、他の犠牲者の死体とともに本所牛島に大穴を掘って埋められたということです(この地に回向院を建立)。全5冊。