伯夷と叔斉
伯夷と叔斉は、孤竹国の二人の王子で、孤竹国での跡継ぎ争いを避け、文王のもとへと赴きました。しかし、たどり着いた周の国では文王はすでに亡くなり、文王の跡を継いだ武王は、紂王と妲己を討伐するため、殷の都へと軍を進めようとします。
伯夷と叔斉の二人は、進軍する武王の馬前に進み出て、極悪非道といえども主君である紂王を討伐するのは「不忠」だと諫めます。この諌言は受け入れられず、伯夷と叔斉は首陽山に隠棲し、山菜などを食べながら生活していましたが、とうとう食べるものがなくなって餓死したといわれています。挿し絵には、馬前に進み出て武王を諫める伯夷と叔斉の姿が描かれています。