周の文王は、紂王との戦いに備え、すぐれた軍師を探し求めました。そして、文王の目にとまったのが呂尚でした。呂尚は「太公望」ともいわれますが、太公望とは文王の祖父である「太公」が長らく待ち「望のぞ」んでいた周の中国統一を実現する人という意味です。現在では「釣り好きの人」の代名詞となっていますが、これは釣りをしていた太公望呂尚が文王に見いだされたという故事にもとづいています。挿し絵には、川岸で釣りをする呂尚、呂尚に声をかける文王が描かれています。