しゅたいぼん

 妖怪となった妲己は、人が苦しみながら死んでいく姿を非常に好みました。そこで、紂王は妲己を喜ばすため、様々な方法で人の命を奪っていきます。
 「酒池蠆盆の刑」とは、二人を戦わせ、敗者は「蠆盆」へ、勝者は「酒池」に入れるという刑罰です。「蠆盆」とは猛毒を持った生物のいる穴のことで、敗者は蛇に咬まれサソリに刺されて命を落とします。「酒池」とは酒を満たした池のことで、勝者は褒美として浴びるほど酒を飲むことができますが、結局は酒に酔って溺死してしまいます。挿し絵には、戦い合う二人の女性、その様子を楼閣から眺めて楽しむ紂王と妲己、酒池で溺れる女性と、蠆盆で蛇やサソリに襲われる女性が描かれています。

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