花押と顔 桂太郎

桂太郎の花押

桂太郎の花押は、「太郎」という字を大きく崩した草名体です。短い横線と、「郎」の部分の曲線が力強く描かれています。画数が少なくシンプルな花押のため、特徴のある花押のひとつとして知られています。

明治18年(1885)に内閣制度が成立してから今日まで、大臣が閣議文書に署名するのに花押を用いる習慣が続いています。大臣の花押を見てみると、名前の一字あるいは姓の一字を用いたものが多いのですが、桂太郎は二字を使っています。

同じく総理大臣を務めた麻生太郎氏も、花押に「太郎」という二字を使っています。しかし桂太郎とは形が違うそうです。

主要参考文献
佐藤進一『花押を読む』(平凡社、1988年)

桂太郎

桂太郎(かつら たろう)
[1848-1913年]

山口生まれ。台湾総督を経て、伊藤内閣や大隈内閣、山県内閣で陸軍大臣を歴任。
3度にわたり内閣総理大臣を務め、その間日英同盟締結、日露戦争などを主導。西園寺公望と交互に政権を担当する「桂園時代」を築いた。
なお、在職日数2,886日は歴代1位。