この度、国立公文書館では広報誌「国立公文書館ニュース」を発刊することになりました。
これは、ご来館いただいたお客様からの「国立公文書館がどんな活動をしているのか、もっと知りたい」「これからも国立公文書館の特別展や企画展などを観たいので、どんな催しがあるかの情報が欲しい」というご意見を受けて、またこれまで来館されたことがなく国立公文書館のことをご存じない方々に向けて、定期的に国立公文書館の仕事の内容や今後のイベント情報などをお知らせしようというものです。
国立公文書館は、国の歴史的な重要文書を保存・管理し、それを広く国民が利用できるようにする国の機関で現在約135万冊の文書を収蔵しています。この中には明治初期から現代まで国の重要な意思決定に関わる憲法をはじめ法律・勅令・政令・条約の公布原本などの公文書が約85万冊、江戸時代以前の将軍家をはじめ寺社・公家・武家などが所蔵していたいわゆる古書や古文書が約50万冊あり、この他個人からの寄贈・寄託文書などがあります。
また国立公文書館の一組織である「アジア歴史資料センター」では明治以降太平洋戦争終結時までの日本とアジア諸国との関係に関わる資料をデジタル画像化して配信もしています。
こうした国民の知的資産ともいうべき歴史的資料は、個人情報に関わるものや資料の傷みが激しいものを除いて、原則としてすべて無料で公開することになっており、来館された方は現物を、遠地にお住いの方はインターネットを通じた画像でご覧になることができます。
ただ、これまでは国立公文書館がこうした史料を保存し、広く国民の皆様の利用に供しようという取り組みをしていることをご存じない方が多かったというのが実情でした。アメリカやフランスなど公文書管理の先進国では、こうした歴史的資料の公開と利用が活発で、それが民主主義を支える基にもなっていると言われますが、わが国でもこうした習慣を根付かせることが大切ですし、そのためには、まず国立公文書館がどんな活動をしているか広く知っていただくことから始める必要があると考えています。
今回発刊する「国立公文書館ニュース」では、毎年春と秋に開催する特別展やその間に開催する企画展の内容の紹介、当館が所蔵する歴史的な資料の利用方法の説明、更に保存資料の修復や各省庁からの文書移管業務の実際など、現在私たちが取り組んでいる仕事の内容なども紹介していこうと考えています。
この広報誌は3か月毎に発行しますが、読者の皆様のご意見を伺いながら、読者と共に内容を充実させていくつもりです。
今回の発刊を機に「国立公文書館ニュース」が国立公文書館と読者の皆様をつなぐ絆となり、それによって国民の知的資産である歴史的な重要資料が広く活用されるようになることを願っています。