秩禄公債証書見本
「秩禄公債証書見本」とは、明治6年(1873)に交付された公債証書の見本です。秩禄とは、江戸時代からの家禄と、維新の功績に対する賞典禄とを合わせたものです。明治4年(1871)の廃藩置県と明治6年の徴兵制の実施により士族の軍事力は必要性を失い、家禄制度は見直しを迫られるようになりました。また、華・士族への家禄は財政の大きな負担となっており、制度の見直しが必要となりました。
そこで、政府は、明治6年12月に家禄及び賞典禄の百石未満の者で奉還を申し出た者に、産業資金として永世禄は6か年分、終身禄は4か年分を半額ずつ現金と公債証書で交付しました。そして、明治9年8月には金禄公債証書発行条例を公布し、禄高によって5か年以上14か年分に相当する額面の公債証書を付与し、すべての禄を廃止する「秩禄処分」を行いました。
【請求番号 附A00017100】